GTDプロは、予選でクラストップ2を占めた3号車と4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)がスタートからレースをリードしていく展開に。
転機となったのは最初のピットストップで、コーション以前のグリーンフラッグ下でルーティン作業を行った4号車コルベットと5番手につけていた77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)を、同じくコーションが出る直前にピットインした9号車マクラーレン720S GT3エボ(パフ・モータースポーツ)が逆転。SC明けにトップに立った。
スタートから1時間が経過した頃、恐竜カラーの77号車が前を走るコルベットを“喰って”2番手に浮上する。ポルシェは勢いそのままにオリバー・ジャービスのドライブでトップを行くマクラーレンにも襲いかかりクラス首位の座を奪った。その後、セバスチャン・プリオールとチームを組むラウリン・ハインリッヒが駆る“レキシー”は快調にリードを拡げていき、最終的には後続車に9秒のギャップを築いてトップチェッカーを受けている。これでポルシェはIMSAの通算勝利数を「601」とした。
クラス2位は今戦でアイルトン・セナを追悼する特別なマシンカラーリングを採用した9号車マクラーレン。同3位にはポールシッターの4号車コルベットが入った。
GTDクラスでは、ポールポジションを獲得した45号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)がフルコースコーションの導入以前にピットに入っていなかったことからクラス首位の座を失い、これに代わって2番手スタートからトップを追いつつ早めのピット作業を行っていた557号車BMW M4 GT3(ターナー・モータースポーツ)がレース再開時にトップに浮上した。
レース終盤、BMWの背後に57号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)が迫り2台による優勝争いが繰り広げられる。このバトルは557号車BMWがターン4でGTPのアキュラと接触しコースアウトしたことで決着。このアクシデントの隙をつき残り5分の時点で首位に立ったフィリップ・エリス/ラッセル・ウォード組57号車メルセデスがクラス優勝を飾った。
557号車BMWは悔しいクラス2位に終わり、同3位には後方からスタートした120号車が順位を9つ上げ、表彰台の最後のスロットを獲得している。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第5戦は、ミシガン州のデトロイト・ストリート・サーキットで開催される『デトロイト・グランプリ』だ。NTTインディカー・シリーズとの併催となる同イベントの決勝レースは6月1日(土)に実施される。エントリーカテゴリーはGTPとGTDプロの2クラスだ。



