彼は、ハイパーカーのライバルのうち、どこのメーカーがル・マンのレースウイークを有利に進めるかについては言及しなかった。
「たしかにポルシェは速いし、フェラーリもトヨタも速い」とベルニュ。
「この3チームの間に順位をつけることはあまり重要ではない」
「僕たちがやらなければならないのは、つねに自分たちのパフォーマンスに集中すること。いくつかのチームのように、サンドバッグを多用する(三味線を弾く)ような余裕はないんだ」
ステランティス・モータースポーツのボスであるジャン・マルク・フィノは、プジョーの2台が計6時間のテストセッションをトラブルなく走行できたことに満足感を示したが、同様に日曜日の9X8のパフォーマンスについて明言することは避けた。
「ライバルチームの走行プランを知らないので、判断するには早すぎるし、比較するのは難しい」とフィノは述べた。
同氏は、改良型プジョー9X8にとってデビュー2戦目となった先月のWEC第3戦スパの後、バランス・オブ・パフォーマンス(BoP=性能調整)規則におけるプジョーの扱いに不満を漏らしていた。
5月末に改定されたル・マンのための性能調整において、プジョーは最大の勝者のひとつなったように見える。9X8はスパと比較してハイパーカークラスで最大の18kgの重量削減が認められた一方、最高出力に変更がなかったのだ。
その一方、9X8は新しい“パワーゲインルール”の下で、フェラーリとランボルギーニとともに250km/h以上の領域で最高出力を削られることとなった。その値はマイナス0.7パーセント。フィノはこの数値の重要性を否定している。
「高速走行時のパワーを1パーセント変更しても、トップスピードは3分の1程度しか変わらない」と彼は言う。
「例えば、5kW(約6.7PSの変更)でも1km/hか1.5km/h、それ以上の価値はないんだ」

