一方、11番手から決勝を戦う8号車に乗る平川亮は、「優勝しか目指していない」と自身3度目のル・マン24時間レースへの意気込みを語る。
「チームの誰しもが去年(2位)のリベンジを果たすべくやってきているので、優勝以外リベンジとは言えないですね」

雨予報もあるなど、日差しが少ない天候が予想されている決勝については、どのチームが速いのかは「予想がつかない」としつつも、自陣営の走らせるマシンの走行ペースには自信があるという。
「天候の関係もあって決勝は寒そうなので、僕らはソフトタイヤを使うのがメインになってくるかなと思います」
「ただ寒いコンディションは、僕らトヨタには良いのではないかと予想しています」
「夜も、普通のコンディションになれば僕らは悪くないですね。FP4を見ている限りでも、正直言うとかなり良いです。ただ、雨になってくると生き残ることが大事になるので、どれくらい攻めるのかが勝負ですね」

多種多様なメーカーのマシンが接戦を繰り広げた予選を見ても、どのチームがペースで優位かというところがはっきりとは見えない今年のル・マン24時間。そこで戦況を左右する要素として、平川はチーム力を挙げる。
「レースで大事になるのはタイヤ交換ですね。とくに今年は、テストデーやフリープラクティスを見ていても、かなりペナルティが多いです。少しでもマシンの停止位置がストップエリアを超えていると、ペナルティを課せられている印象です」
「どれだけ正確に、早くできるかというところが大事になってきます。あとは戦略という意味ではピットに入るタイミングはもちろん、雨ならスリックとレインを変えていく選択が大事になりそうです」
昨年の第6戦富士6時間の現場では、「今のハイパーカークラスは、実はタイヤ交換でかなりの差がついています」と語り、そこがTGRの武器になっていると口にしていた平川。また、今年の第2戦イモラでは雨を味方につけた僚友7号車が勝利を飾るなど、チームとしても変化するコンディションへの対応には良い戦果があり、決勝への自信の源にもなり得るだろう。
「今年は、去年よりも勝ちたいと願っているライバルが多いので、プラクティスでコースを走っていても、バチバチ感が去年よりも強いです」
「そこで負けないように、ここまで長くやってきたチーム力で結果を出していきたいですね」
