更新日: 2024.07.15 02:59
戦略変更でポール奪取/ジョーカー来年にも/ロッテラーの運転時間 etc.【WECサンパウロ予選日Topics】
また同氏は、前戦ル・マン24時間でアンドレ・ロッテラー(6号車ポルシェ963)のドライブタイムが3時間47分にとどまり4時間に満たなかったことについて、長時間のセーフティカーピリオドとコースポジションのせいで、運転時間が「かなり混乱していた」と述べた。
彼は次のように説明した。「新しいセーフティカールールにどう対応するかに皆が試行錯誤していた。なぜならピットに止まりドライバーを交代すればセーフティカー1台分の順位を落とすことになるからだ。レースのその時点でのトラックポジションは非常に重要だった。どう展開するか誰にもわからなかったためだ」
■ポルシェ963のアップデートを予告
ポルシェ・モータースポーツのボスであるトーマス・ローデンバッハは、963のツインターボV8エンジンについて、現行の90度クランクシャフトを使い続けると明言した。ポルシェLMDhのファクトリーディレクターであるウルス・クラトルは以前、ル・マンで信頼性の問題が発生しなければ、当初提案されていたフラットプレーン・クランクの計画を棚上げすると述べていた。
ローデンバッハは「今のエンジンに100パーセント満足している」とコメント。「すべてうまくいっている。我々のクルマの信頼性は非常に高く、スピードもある。手を出す必要があるだろうか」
しかしローデンバッハによれば、ポルシェは早ければ来年にも、LMDhカー初の“EVOジョーカー”を投入する可能性があるという。「このクルマに何か手を加えるのは間違いない」と同氏。「もちろん、来年に向けて改良を加えるつもりだ」
現在のところEVOジョーカーを使用したことが知られているハイパーカーメーカーは、トヨタ、フェラーリ、プジョーの3社のみ。フェラーリは今週末を前にブレーキ冷却関連のアップデートのために、ジョーカーのひとつを切ったと認めた唯一のブランドとなっている。
■可夢偉組7号車をサポート
ブエミは、シーズンが進むにつれてトヨタ8号車のクルーが姉妹車7号車のチャンピオン争いをサポートするよう要請される可能性があることを認めている。ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3人は、ル・マンで5位に終わった後、チャンピオンシップをリードするポルシェ・ペンスキーのクルーに55ポイント差をつけられている。
「ポイント差は大きくない。だが、もっとポイントを持っている人がたくさんいる」と語ったブエミ。「1台のマシンが悪いレースをすれば追いつくことができるが、(僕たちが逆転するためには)多くのマシンが悪いレースをする必要がある。このレースではないかもしれないけれど、できる限り姉妹車を助けようとするだろう」
アイアン・デイムスのサラ・ボビーはLMGT3のハイパーポールでシーズン2度目のトップタイムを記録し、女性チームにとって7度目のWECクラスポールポジションを獲得した。ELMSヨーロッパ・ル・マン・シリーズを含めると、このベルギー人ドライバーのポールポジション獲得は今季5度目となる。