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投稿日: 2024.07.23 00:07
更新日: 2024.07.26 00:16

佐藤万璃音 2024年WEC第5戦サンパウロ レースレポート


ル・マン/WEC | 佐藤万璃音 2024年WEC第5戦サンパウロ レースレポート

佐藤万璃音、世界選手権で初表彰台獲得!
WECブラジル大会で3位入賞を果たす

 今シーズンよりELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに加え、新たにWEC世界耐久選手権への挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属、神奈川県出身・25歳)が、7月13~14日にブラジル、サンパウロで開催されたWEC第5大会『ROLEX 6 HOURS OF SAOPAULO』に参加しました。95号車マクラーレン720S GT3エボを駆る佐藤万璃音は、僚友ニコラス・ピノ選手とジョシュ・ケイギル選手とともに、自身にとって世界選手権における初めての3位表彰台を獲得。ユナイテッド・オートスポーツ&マクラーレンにとってもLMGT3での初表彰台となりました。

 日本からは移動に24時間以上かかるブラジルですが、佐藤万璃音にとって南米大陸でのレースは初めての経験であり、珍しい左回りのサーキットということもあって、期待と一抹の不安を胸に抱いての渡航となりました。

 実際にレースウイークに入りトラックウォークが始まると、予想以上にテクニカルなサーキットであることと、いつもと逆回りのために給油口がガレージ側となり、ドライバー交代も含めてレース中の慌ただしさが予想されました。

 サンパウロのサーキットそのものは、この20年間で施設が大幅に改善されたこともあって、安全面においても環境的にもまったく問題は感じませんでした。

 ル・マン24時間を終えて、チームは問題点を改善し、対策を講じてブラジルへとマシンを運んでいました。ベースセットも前進しており、走り出しと同時に佐藤万璃音はマクラーレン720S GT3エボがこのテクニカルサーキットととても相性が良いことを感じ取っていました。

 また、日本でFIA-F4を走ったこともあるブラジル人のニコラス・コスタ選手がチームの59号車を走らせていることもあって地元メディアがマクラーレンのピット裏に大挙詰めかけ、イベントステージへの登壇やインタビュー等で本当に忙しい週末となりました。

佐藤万璃音 2024年WEC第5戦サンパウロ レースレポート
95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ) 2024年WEC第5戦サンパウロ6時間

 フリー走行からマシンに大きな問題は無く、順調にプログラムをこなしつつセットアップを進め、予選を迎えます。予選ではジョシュ・ケイギル選手がうまくまとめ切り、予選3番手となる1分35秒572をマーク。続くハイパーポールでも1分34秒860をマークし、今季ベストの決勝3番手グリッドを確保しました。

 決勝スタートドライバーは、ブロンズドライバーのジョシュ・ケイギル選手が務めます。6時間という長いレースではありますが、最近のWEC、LMGT3カテゴリーでは耐久レースというよりスプリントレース的な感覚でプッシュし続けなければなりません。スタートから頑張ったジョシュ・ケイギル選手、そして交代したニコラス・ピノ選手でしたが、タイヤ交換のタイミングや戦略の違いもあって、なかなか前を行く2台との差を詰められず、むしろ大きく引き離された形で佐藤万璃音にステアリングを託しました。

 佐藤万璃音はマシンに乗り込むと快調なペースで前との差を縮め、後続のチームメイトとの差を開き始めました。しかし順調に見えたマクラーレンが途中、ふたつのマイナーな問題を抱えることとなり、佐藤万璃音は無線でピットとやり取りをしながら最後のチェッカーを受けるまで、そのマイナーな問題をマネジメントしながらの走りを強いられることとなりました。

 それでもなんとか最後まで3位のポジションを守り切ってチェッカーを受け、ユナイテッド・オートスポーツ&マクラーレンにとっても初のLMGT3表彰台、そして佐藤万璃音にとっては嬉しい初の世界選手権ポイントを獲得するレースとなりました。

■佐藤万璃音のコメント

「WEC初表彰台は、素直に嬉しいです。シーズン開幕戦からずっとトラブルや予選失格などのペナルティに悩まされ、結果が出ないままのブラジル入りでしたから、チームやマクラーレンのスタッフも本当に表彰台を喜んでくれました」

「自分としては、マイナーな問題さえなければ2位も見えていただけに、悔しい結果ではありますが、そのマイナーな問題を最後までうまくマネジメントしてチェッカーを受けるという仕事を成し遂げたという意味では、満足できるレース内容だったと思います。WECで勝つには、まだポルシェとの性能差が大きいと思いますが、それを煮詰めながらポジティブな姿勢で頑張りたいと思います」

「次のテキサスもマクラーレンには向いているコースだと思いますし、相対的には悪くないと信じています。チームの勢いもあるし、テキサス、そして自分自身にとって初の母国レースとなる富士6時間に照準を合わせて、シリーズ後半戦も頑張っていきたいと思います。皆さん、応援ありがとうございました!」


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