ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2024.09.06 18:15
更新日: 2024.09.06 23:50

佐藤万璃音 2024年WEC第6戦オースティン レースレポート


ル・マン/WEC | 佐藤万璃音 2024年WEC第6戦オースティン レースレポート

WEC第6戦ローンスター・ル・マン
アメリカ大陸で魅せた速さと悔しさ

 今シーズンよりELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに加え、新たにWEC世界耐久選手権シリーズへの挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属、神奈川県出身・25歳)が、8月30日~9月1日にアメリカ、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカ(COTA)で開催されたWEC第6大会『ローンスター・ル・マン』に参加しました。95号車マクラーレン720S GT3エボを駆る佐藤万璃音は、ジョシュ・ケイギル選手、ニコラス・ピノ選手とともに6時間レースに挑みました。

 4年ぶり7回目のWEC開催となったオースティンは、週末を通して好天に恵まれ、決勝スタートの日曜日午後1時には、気温32℃、路面温度が46℃という灼熱の戦いが幕を開けました。

 アメリカ大陸でのレースは、佐藤万璃音にとって幼少期にラスベガスで開催されたカート大会に参加して以来のことです。とにかく何もかもがスケールが大きく、サーキットもピットの広さやコース幅の広さに驚かされました。

 チームはフリー走行から好調な出だしで7番タイムをマーク。しかしフリー走行2回目ではターボのトラブルが発生し、本来のパワーが出ず15番手と低迷しました。このセッションは気温、路面温度ともにタイヤに厳しく、予選に近いコンディションであり、このタイミングで充分に走れなかったことでセットアップを煮詰め切れず、それが大きく予選結果に影響しました。

 予選アタックを担当したブロンズドライバーのジョシュ・ケイギル選手は、コースイン後、すぐにリヤの不安定感を訴えながら、本来であればハイパーポールに進出できるタイムをマークしたのですが、トラックリミット違反でベストタイム抹消となり、予選11番手に終わりました。

佐藤万璃音 2024年WEC第6戦オースティン レースレポート
WEC第6戦ローンスター・ル・マンが開催されたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ

 決勝当日は暑さも厳しく、各チームはブロンズドライバーに連続スティントを走らせることを不安に思い、短めの交代とする戦略を取ってくるチームが多かったのですが、95号車は当初の予定どおり、シンプルにブロンズドライバー、シルバードライバーがダブルスティント、そして佐藤万璃音がトリプルスティントを担当する戦略を取りました。

 スタートドライバーのジョシュ・ケイギル選手が素晴らしいスタートダッシュを見せ、1周目に3台をパスして戻ってきました。しかしレース序盤は良かったのですが、ライバルチームが早めにシルバードライバーに交代し、フレッシュタイヤで攻めてきたことで、ジョシュ・ケイギル選手のペースそのものは悪くないものの、厳しい展開を強いられることになりました。

 シルバードライバーのニコラス・ピノ選手に交代するタイミングで、ピット作業のタイヤ交換に手間取り、約16秒のロスタイムが発生。その結果、自分たちよりも遅いクルマの後ろでピットアウトすることになり、さらにタイムをロスすることとなってしまいました。

 レース終盤、佐藤万璃音がステアリングを握り、ニュータイヤに交換してハイペースでライバルたちを追い上げます。最後のスティントもニュータイヤを装着して、6時間のチェッカーを受ける頃には7番手までポジションを挽回し、またしてもポイントを加算することができました。佐藤万璃音にとって、初の母国凱旋レースとなる次戦、『富士6時間耐久レース』に向けて、確かな手ごたえを得たレースとなりました。

■佐藤万璃音のコメント

「初めてのCOTAは、あまりにスケールが大きくて驚かされましたし、コースもバンピーなうえ、第1コーナーからヘアピンまでが刺激的に忙しいサーキットでした。マシンのフィーリングは悪くなかったのですが、フリー走行でターボにトラブルが出て、暑いコンディションの中でのセットアップが出来なかったことが、予選、決勝を通じて響いたのかも知れません」

「今回の決勝レースは、マシンそのものに大きなトラブルはなかったのですが、戦略の部分や、ピット作業でのロスが大きかったと思います。ジョシュ・ケイギル選手も体力的に厳しかったなか、よく頑張ってくれたと思いますし、ニコラス・ピノ選手も良いスティントをこなしてくれました。ただ暑い路面状況の時にクルマがピーキーな動きを見せてしまうため、速いペースを維持するのは難しかったですね。それでも自分としては、自分のスティントではここ数戦でもっとも良いスティントがこなせたと思いますし、最後に燃料不足でスプラッシュ&ゴーのピット作業もありましたが、チーム全体として頑張ってリカバーしたと思います」

「正直言えば悔しいレースではありましたが、次の富士のレースに向けて、今回の6時間レースの反省と、ここで得た課題をしっかり煮詰めて、母国で表彰台に立てるように頑張りたいと思いますので、皆さん応援よろしくお願いします」


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