ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2024.09.17 19:15
更新日: 2024.09.18 02:19

優勝ポルシェに戒告/7号車を出すのは「危険すぎた」/第二の故郷で初勝利 etc.【WEC富士決勝Topics】


ル・マン/WEC | 優勝ポルシェに戒告/7号車を出すのは「危険すぎた」/第二の故郷で初勝利 etc.【WEC富士決勝Topics】

 ビスタAFコルセのドライバーであるトーマス・フロー、フランチェスコ・カステラッチ、ダビデ・リゴンの3名は、前年のフェラーリ488 GTEエボでのGTEアマクラス優勝に続き、WEC富士で大会2連覇を飾った。フローとカステラッチは2017年に富士スピードウェイでの初めての勝利を飾り、今回で3勝目を挙げたことにある。

 彼らとチームを組むリゴンは、シリーズ通算7勝目をマーク。このフェラーリのファクトリードライバーは、これまでに出場したすべてのクラス(GTEプロ、GTEアマ、LMGT3)でWECレースの優勝トロフィーを手にしている。

 日曜日の美酒はフェラーリ296 GT3のWEC初優勝となり、マラネロのスーパーカーブランドは2024年に新設されたLMGT3クラスで優勝した4番目のメーカーとなった。また、フェラーリは富士で最多勝を誇るアストンマーティンに並ぶ7勝目を挙げている。偶然にも54号車の優勝は、フェラーリにとってWECのGT部門での54回目の勝利と重なった。

 一方、ビスタAFコルセの姉妹車である55号車のフェラーリは、レース開始直後にポールポジションから後退し、最終的に6位でフィニッシュした。これについてアレッシオ・ロベラはABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を失ったことが主な原因だと明かした。

 ロベラはSportscar365に対し次のように語った。「レース中ずっとABSなしで走っていたが、簡単ではなかった。クルマのバランスがまるで変わってしまい、リヤタイヤのデグラデーション(劣化)がさらに進んでしまった。それでも優勝したシスターカーとの差はわずか20秒だったから、この問題がなければ優勝争いに加われたかもしれない」

優勝ポルシェに戒告/7号車を出すのは「危険すぎた」/第二の故郷で初勝利 etc.【WEC富士決勝Topics】
LMGT3クラス初勝利を挙げるとともにWEC富士2連覇を飾ったトーマス・フロー(左)、フランチェスコ・カステラッチ(右)、ダビデ・リゴン(車内)

■2年連続リタイアゼロから一転

 LMGT3クラスで、ダブルスティントでの最速アベレージを記録したドライバーに贈られる『グッドイヤー・ウイングフット・アワード』は今回、TFスポーツのチャーリー・イーストウッドが受賞した。彼がトム・ファン・ロンパウ、ルイ・アンドラーデとともにドライブした81号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rはアルピーヌのハイパーカーに追突されて後退したものの、今季ベストとなる4位でフィニッシュした。

「レースを通して僕たちは本当に良いポジションにいた」と語ったイーストウッド。「残念ながら、ハイパーカーが最終コーナーでブレーキングをミスし、その煽りを食らってスピンしてしまった。彼(シャルル・ミレッシ/35号車アルピーヌA424)はドライブスルーを受けたけれど、それが私たちのレースを台無しにしたことには変わりない。最低でも表彰台、そしておそらく今日の勝利は、他の誰かのミスによって逃がされてしまった」

 一方のミレッシは最終的には自身の非を認めたものの、イーストウッドの動きを問題視するコメントを残している。「僕としては何もできなかった。彼は左、右、左、右と動いていて、どこに向かっているのか分からなかったんだ」とミレッシ。「内側に入ろうとしたが、彼は最後の瞬間に動いた」

 TFスポーツの姉妹車で、日本人ドライバーの小泉洋史が予選に続き決勝の序盤も好走を見せた82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rは、1回目のピットストップ時にスターターモーターに問題が発生。レースの前半で10周遅れとなり最後にはパワーを失ってリタイアとなった。

 プロトン・コンペティションの77号車フォード・マスタングGT3は、ピットロードでオフィシャルの指示を守らなかったとして、一分間のタイムペナルティを科された。関係するスチュワードのブルテンには、「77号車が作業エリアで停止したとき、チームはピットレーンのマーシャルから、クルマのバックウインドウがなくなっているためコースに戻る前に修理する必要がある、と指示された。チームはその指示に従わずにクルマをリリースした」とある。なお、このペナルティによる最終結果への影響はなく、77号車はLMGT3クラス15位で今大会を終えている。

 ハイパーカークラスで見られた6台のリタイア(リタイア5台+未完走1台)は、ル・マン24時間レースを除けば今シーズン最多であり、レギュラーレースにおける同クラス最多を更新する数となった。なお、富士では2022年と2023年の両レースでハイパーカーのリタイアは0台だった。

 2024年WECのシーズンフィナーレとなるバーレーン8時間レースは、10月31日(木)から11月2日(土)にかけて、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。翌3日(日)は毎年恒例のWECルーキーテストが実施される予定だ。

優勝ポルシェに戒告/トヨタ7号車を出すのは「危険すぎた」/第二の故郷で初勝利 etc.【WEC富士決勝Topics】
81号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(TFスポーツ) 2024年WEC第7戦富士
優勝ポルシェに戒告/7号車を出すのは「危険すぎた」/第二の故郷で初勝利 etc.【WEC富士決勝Topics】
シーズン2勝目を挙げドライバーズチャンピオンに「王手」をかけたケビン・エストーレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ファントール組6号車ポルシェ963 2024年WEC第7戦富士


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

関連のニュース

本日のレースクイーン

フロンティアキューティーズ
鈴乃八雲(すずのやくも)

ル・マン/WEC Photo Ranking

フォトランキング