更新日: 2024.09.17 20:51
佐藤万璃音 2024年WEC第7戦富士 レースレポート
WEC第7戦、富士6時間耐久レース
佐藤万璃音にとって、記憶に残る母国戦
今シーズンよりELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに加え、新たにWEC世界耐久選手権シリーズへの挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属、神奈川県出身・25歳)が、9月13~15日に静岡県、富士スピードウェイで開催されたWEC第7大会『6 HOURS OF FUJI(富士6時間耐久レース)』に参加しました。95号車マクラーレン720S GT3エボを駆る佐藤万璃音は、前戦と同じくジョシュ・ケイギル選手、ニコラス・ピノ選手とともに自身にとって、初の母国レースに臨みました。
オースティンで開催された第6戦を終え、慌ただしく日本に帰国した佐藤万璃音は、これまでお世話になった方々への御挨拶や、富士大会を前にして次々と来日するチーム関係者のアテンドで、予期せぬ多忙な日々を送りました。
レースウイークに入ると通常のWECに比べてより多くのインタビューや記者会見、ファンに向けたトークショーやステージイベント等に追われ、普段と違った高揚感を感じながらの週末を過ごすこととなりました。
金曜日のフリー走行1回目、コースインした佐藤万璃音は冷静にマシンの感触を確認すると、すぐにアタックラップをこなして早々にピットに戻りました。富士スピードウェイでの走行経験のないチームメイトたちに、より多くの走行時間を与えるためです。ちなみに佐藤万璃音が記録したタイムがフリー走行1回目のクラストップタイムとなりました。
フリー走行2回目もとくに大きなトラブルは出ず、ふたりのチームメイトを中心に走行を重ね、クラス3番手タイムをマーク。まずまずの初日を終えました。
予選アタックを担当したブロンズドライバーのジョシュ・ケイギル選手は、佐藤万璃音からのドライビングアドバイスを忠実に再現し、ハイパーポールへと進出。最終的に予選3番手タイムをマークすることができました。
決勝前夜に降った雨もあがり、グリッドウォークが始まる頃には、残暑厳しい夏の日差しが照り付ける状況となりました。
決勝スタートは波乱の展開となりました。11時、スタート早々わずか2周目の第1コーナーで、ハイパーカークラスのマルチクラッシュが発生。いきなりセーフティカーが出される展開となりました。セーフティカー解除となったリスタート直後、トップ争いを意識しすぎたか、第1コーナーでユナイテッド・オートスポーツの2台が接触。マシンに大きなダメージこそなかったものの、スピン状態となってしまった95号車は大きくポジションを落とすこととなってしまいました。
その後、集中力を欠いたジョシュ・ケイギル選手はふたたびレース中に単独スピン。再スタート後にエンジンパワーが出ないと訴え緊急ピットイン。
チームは原因を調べるも確定できず、リタイアを覚悟でリフューエルだけしてレースに復帰させたところ、エンジンは問題なくパワーが復活。ふたたびレースペースには戻りましたが、すでに致命的な周回遅れとなってしまいました。
その後、ジョシュ・ケイギル選手が予定どおり2スティントをこなしニコラス・ピノ選手へとドライバー交代。何度もセーフティカーや、FCYが出たのですが、すべてチームにとってタイミングが悪く、ラップダウンから同一周回へ戻すチャンスはありませんでした。
14時45分、佐藤万璃音がマシンに乗り込み、最後の追い上げを開始します。すでにクラス17番手と最後尾に近い状況のなか、必死に前を行くマシンを追い続け、3スティント、約2時間半に渡って諦めることなく攻め続けました。
ゴール後、やや脱水症状気味となった佐藤万璃音ですが、冷静にエンジニアにマシンの状態を伝え、WEC最終戦のバーレーン大会に向けて改善すべき点をアピールしました。母国レースの余韻に浸る間もなく、2週間後に迫ったヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第5戦イモラ大会に向けて週末には日本を後にする予定です。
■佐藤万璃音のコメント
「初めての母国レースは、決勝レースが始まる前までは、本当に楽しかったです。これまで日本のファンの前でレースをする機会もめったになかったですし、こんなに皆さんに応援されていたことを実感できました。長い間、いつもSNSで応援のメッセージをくれていた人が実際に会いに来てくれたり、何年も会ってなかった小学校や中学校の同級生がサプライズで応援に来てくれたり、まさかと思うような人がたくさん訪ねてきてくれました。ファンの皆さんと話をしていても本当にエネルギッシュな方が多く、心から楽しめた週末でした」
「レースのほうは、自分たちの思うようにいかない結果で、フリー走行から決勝に至るまで、相対的なペースが悪いわけではないのですが、自分たちには勝てるだけのペースがなかったと思います。WECはフリー走行が短くて、予選用のセットを出しているとロングのテストができなかったりするのですが、自分たちはライバルたちに比べて、タイヤを使って速さを得ている感じがあって、その部分の対策を見出さないと、バーレーンでの優勝も厳しいと言わざるを得ません」
「でも、諦めることなくできる限りのトライをし、最終戦では来年に繋がるような結果を残したいと思っています。レースは悔しい結果でしたが、今週、富士スピードウェイに応援に来てくださったすべての方々に、心より感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。本当に楽しい週末でした。皆さん、応援ありがとうございました」