更新日: 2024.10.07 11:55
「大きなストレス」と“体重”の影響。安定感は抜群も、ポルシェは弱点多し?【ロッテラー&マコウィッキ特別対談(1)】
──今シーズンはクラス構成が大きく変わり、これまでのLMGTEアマがLMGT3へと置き換わりました。今までよりも速度が低いクルマと一緒に走ってきて、どのような違いを感じていますか?
ロッテラー:そうだね、LMGTEからLMGT3になって、オーバーテイクは少し難しくなったと思う。トップスピード自体は低くなったけれど、僕らのクルマも決して速くはないから。
それにLMGT3はABSがあるから、アマチュアドライバーであってもブレーキをロックさせることなく、コーナーのかなり奥まで勢い良く突っ込んでくる。だからコーナーの進入で抜かすことはかなり難しくなったし、かなり気をつけなくてはならない。その点については、正直大きなストレスを感じるよ。
マコウィッキ:LMP1の時代は、(ル・マンでもっとも低速の)アルナージュなんて簡単にGTを抜かすことができたのに、今ではそうはいかない。LMGT3同士でかなり激しく戦っているし、なかなか楽には抜けないよ。
ロッテラー:ル・マンではLMP2も走っていたけれど、むしろLMP2の方が一緒に走りやすいと思った。コーナリングスピードはそれほど大きく変わらず、ポルシェ・コーナーなんてほぼ同じスピードだったし。
マコウィッキ:LMP2にトップドライバーが乗っている時なんて、僕らハイパーカーよりコーナーが速いことも少なくなかった(笑)。だから、前を塞がれるようなことはあまりなかったし、少し待てばストレートでは抜くことができた。LMGT3を抜くときの方が神経を使ったね。
■Profile
アンドレ・ロッテラー:1981年11月19日生まれ、ドイツ・デュイスブルク出身。欧州でステップアップ、ジャガーF1のテストドライバーも経験した後、2003年に来日。全日本GT選手権/スーパーGT、フォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラに参戦し、スーパーGT・GT500では2006年と2009年にタイトルを獲得。2011年にはフォーミュラ・ニッポンを制した。アウディから出場したル・マン24時間レースでは、2011、2012、2014年と3度総合優勝に輝いている。
フレデリック・マコウィッキ:1980年11月22日生まれ、フランス・アラス出身。欧州のGT選手権を中心にキャリアを重ね、2013年に来日してホンダHSV-010GTでスーパーGT・GT500クラスへ参戦。翌年からポルシェと契約するも、シーズン途中から再びGT500にエントリーした。2019年には三度来日、ニッサンGT-Rでフル参戦。WECには初年度の2012年からGTカテゴリーに参戦し、2022年にはル・マンで悲願のクラス優勝を果たす。2023年より、ポルシェ963のドライバーを務める。