GTDプロクラスは、レースの4分の3を迎える直前に1号車BMW M4 GT3エボ(ポール・ミラー・レーシング)が、深夜帯にトップを守ってきた77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)を攻略して首位に浮上にした。
その後、BMWは65号車フォード・マスタングGT3(フォード・マルチマチック・モータースポーツ)と接近戦を繰り広げたが、残り4時間のタイミングで2番手に上がってきた4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)が好ペースで追い上げ、BMWの攻略にも成功すると残りが3時間となる前にクラスリーダーに躍り出る。
BMWとシボレーの戦いは続き、22時間目にはポール・ミラー・レーシングが姉妹車の48号車を使って4号車を抑えこむ“チームプレー”を駆使し、アンダーカットで1号車をトップに戻すことに成功する。このバトルの際、1号車BMWとシボレーが接触し、後者のリヤカウルがめくり上がってしまう。一度はテープで補修されたものの、風圧でふたたびめぐり上がったため、コルベット・レーシングに対しオレンジディスクが提示される。このため4号車は余計なピット作業を強いられた。
2時間を切ってのリスタート後は65号車フォードが首位に立ったが、1号車BMWがこれをパス。しかしコーション下でのラストピット後、BMWは6番手に順位を下げる。2番手で最後のリスタートを迎えた65号車フォードは4号車シボレーを抜いてふたたびトップに立ったが、背後には伏兵3号車コルベットが迫り、さらに1号車BMWが虎視眈々の構え。
それでも最後はデニス・オルセンが後続を抑えきり、フォードとマルチマチックに優勝を届けてみせた。1.9秒のクラス2位に入ったのは3号車シボレー。1号車BMWがターン1で4号車コルベットにヒットされ順位を下げたため、同3位には64号車フォード・マスタングGT3が続いている。

GTDクラスは、57号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)がピット作業違反でドライブスルー・ペナルティを受けた後、13号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(AWA)がトップに立った。
しかしながら、ラスト2時間で入ったコーション後は120号車ポルシェ911 GT3 R(ライト・モータースポーツ)がリーダーに。最後の1時間も120号車がトップで迎えたが、同車はコーション中にスプラッシュに入ったため、ライバルに順位を明け渡してしまう。
レース最終盤は、最後のリスタート後に27号車アストンマーティン・バンテージGT3エボ(ハート・オブ・レーシング・チーム)に先行を許しながらも、残り18分で再逆転に成功した13号車コルベットがクラス優勝を飾り、120号車ポルシェが1.454秒差で同2位に。3位は27号車アストンマーティンだ。
ケイ・コッツォリーノとリル・ワドゥがドライブがしたAFコルセのマシンは、早朝に発生したターン1でのマルチクラッシュで姿を消した1台となった。21号車フェラーリはアレッサンドロ・ピエール・グイディがスピンを喫し、コントロールを失った直後に78号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(フォルテ・レーシング)と衝突。さらにタイヤバリアに叩きつけられたことで大きなダメージを負ってしまった。
シーズン最長の一戦を終えた2025年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦は、デイトナと同じくアメリカ・フロリダ州に位置するセブリング・インターナショナル・レースウェイでの『モービル1・セブリング12時間レース』だ。このシーズン第2戦は3月13~15日に開催される。


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