LMGT3クラスでは予選でフロントロウを独占したマクラーレンと、今週の走りはじめから好調のレクサス勢が存在感を発揮した。なかでも78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)は序盤からマクラーレン720S GT3 Evo勢を上回るスピードを見せ、序盤から複数回トップに立つ。
しかしマクラーレン勢もライバルに離されることなく上位に留まり、5時間目にはポールシッターの95号車がトップに返り咲く。同チームでエース役となる佐藤万璃音も中盤の143周目に乗り込むと、名手ダニエル・ジュンカデラがドライブする33号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)や3番手につける姉妹車59号車に対してギャップを築いていった。
ところが佐藤がステアリングを握るレース終盤、95号車マクラーレンにはピットでのアンセーフリリースのためドライブスルーペナルティが科せられ後退。さらに78号車レクサスには技術違反により5秒のストップ・アンド・ゴーが科せられ、こちらも表彰台圏外へと脱落してしまう。
これで33号車シボレーのジュンカデラが59号車マクラーレンのグレゴワール・ソーシーをリードする形で最後の1時間へと入るが、そのギャップは1秒未満という超接近戦。その前方では、ピットタイミングがオフセットしている31号車BMW M4 GT3(ザ・ベント・チームWRT)の燃料が最後までもてば優勝か、という最終盤となったが、ティムール・ボグスラフスキーは残り15分を切ったところで31号車をピットレーンに向けた。
残り30分を切り、33号車シボレーと59号車マクラーレンの争いはテール・トゥ・ノーズ。残り9分、ソーシーはいったんはサイド・バイ・サイドに持ち込むが、オーバーテイクには至らず。ファイナルラップまで息を呑む接近戦は続いたが、ジュンカデラが辛くも逃げ切り、開幕戦優勝を果たした。
3位表彰台は31号車BMWが獲得。以下、78号車レクサス、21号車フェラーリ、27号車アストンマーティンと続き、佐藤がチェッカードライバーとなった95号車は、クラス7位でフィニッシュを迎えている。
2025年のWEC第2戦は、4月20日にイタリアのイモラで開催される6時間レースとなる。



