マクラーレンはWEC初優勝を逃したものの、59号車がクラス2位となりLMGT3で過去最高の成績を収めた。このアングロ・アメリカンチームの過去最高位は昨年のサンパウロでの3位だった。
レクサスは、アーノルド・ロバン/フィン・ゲルシッツ/ベン・バーニコート組の78号車RC F LMGT3が4位に入り、過去のベストリザルトを大幅に上回った。
アコーディスASPチームの78号車はクラス最多となる97周をリードしたが、パワーリミット違反で5秒間のストップ・アンド・ホールド・ペナルティを受けて優勝争いから脱落した。同様に、ポールポジションを獲得した95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)は計87周をリードしたものの、アンセーフリリースにするドライブスルーペナルティが響いてトップ争いから遠ざかり、最終的にはクラス7位でレースを終えた。

アウグスト・ファーフスは、チームWRTの3位入賞を「予想外」と表現した。彼と31号車をシェアしたティムール・ボグスラフスキーとヤセル・シャヒンは、アップグレードされたBMW M4 LMGT3(M4 GT3エボ)のWECデビューで表彰台を獲得している。
ファーフスはSportscar365に次のように語った。「僕たちはコース上で最速と言うには程遠かったが、良い戦略がありセーフティカーをうまく利用し、ドライブスルーを受けなかったた数少ないマシンのひとつだった。それが大いに助けになった。レース前は表彰台に上がるなんてはあり得ないと言っていたが、実際にはここまで来たんだ!」
■AMGは試練の船出に
アストンマーティンのカスタマーチーム、レーシング・スピリット・オブ・レマンは、WEC初参戦でクリーンな走りに努め9位入賞。初陣で2ポイントを獲得した。
「僕たちは持てるスピードを最大限に発揮したと思う」と“鉄人”ルーベンス・バリチェロの息子であるエドゥアルドは語った。「クルマは運転しやすかったし、チームとしても素晴らしい仕事をしたと思う。結果に満足しているとは言えないが、これが今日の結果だ。ここから犯したミスのいくつかを学ばなければならない」
アイアン・リンクスは、メルセデスAMG GT3エボでの初戦で忘れられないレースを経験した。61号車はブレーキに問題が発生し、クリスチャン・リードのドライブ時にスピンを喫し、そのままリタイアに。姉妹車の60号車はクラッチトラブルに見舞われ、ギアボックスの交換に3時間かかった。クルマはチェッカーフラッグを受けることができたが、LMGT3リーダーより93周少ない194周に終わったため完走扱いに含まれなかった。
ユナイテッド・オートスポーツのショーン・ゲラエルは、新しい形式での『グッドイヤー・ウイングフット・アワード』を初めて受賞した。このアワードは、以前のように平均スティントペースで決定するのではなく、ファンの投票に基づいて授与されるようになった。ゲラエルは、バーニコート、ロバン、アハマド・アル・ハーシーとの競争を制している。
レース中の計4回のセーフティカー・ピリオドと同数のフルコースイエローは、今年の『カタール1812km』がタイムリミットまでに、予定されていた335周に17周も届かなかった一因となった。初開催となった昨年は、10時間レースの残りわずか数分前にトップ車両が335周を走りきった。
WECの次戦はイモラ6時間だ。イタリアのイモラ・サーキットが舞台となるこの第2戦は、4月18~20日に行われる。
