また、チーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルはル・マンが過酷な理由を次のように説明している。
「ル・マンが世界でもっとも過酷なレースなのは、単に走る距離が長いからではない。イベント全体を通じて自分のペースを崩さず、リソースを管理する必要があるが、これが2週間以上続く」
「この間、限られたスペースにおいて、90人のスタッフが張り詰めた雰囲気のなかで緊密に連携して作業をする。喜ばしいことも大変なことも、すべて一緒に体験するんだ」
「土曜の午後3時には、チームのメンバー全員が、メカニックもドライバーも、チームの誰であれ、肉体的・精神的にレースに向けてフレッシュな状態になければならない。ここで、私たちが学び、実践してきたことをすべて出し切ることが重要となるんだ」
いよいよ目前に迫った本番を前に、ザイドルは「私たちは技術的にできることはすべてやり、戦略的にもル・マンに向けて準備してきた。ポルシェ919ハイブリッド、強力なドライバーの布陣、そしてチーム。いずれも全力を尽くす準備ができているよ」と意気込みを語った。
ポルシェが戦うのはLMP1クラスだけではない。LM-GTEプロクラスには、2017年より91号車、92号車の2台の新型ポルシェ911 RSRをWECに投入している。2017年はポルシェ911伝統のリヤエンジン・リヤドライブ(RR)からミッドシップエンジン・リヤドライブ(MR)レイアウトに変更された新型マシンがル・マンデビューを果たす。

ル・マンで、リチャード・リエツ、フレデリック・マコウィッキの駆る91号車の3人目として加わるパトリック・ピレは「このレースでの優勝は目標のひとつだ。それは僕がフランス人だからというだけでなく、自宅がサーキットから90分ほどの場所にあるからだよ」とコメント。
「新しい911 RSRとサポートしてくれるチームによって、僕たちは優勝を競うために最高のポジションにいると思う」
