更新日: 2017.06.19 11:08
可夢偉「僕たちのレースになると思っていた」。トヨタ、大波乱のル・マンで8号車が9位完走
「昨年の敗戦以来、関係者で全力を尽くして準備を行い、再度トップを争える車両をル・マンに持ち込みましたが、結果はとても厳しいものとなってしまいました」と語るのは佐藤俊男チーム代表。
「ファンの皆様には多くの暖かい応援を頂きましたが、我々は優勝トロフィーを持ち帰ることができませんでした。今回深夜に起こしてしまったダブルリタイアは当然受け入れられないものだと思います」
「同じことを繰り返さない取り組みをして参ります。そして、必ずもっと強くなり、さらに強い決心のもと、再びル・マンに挑戦したいと思います」
マシントラブル大きく順位を下げることとなった一貴も「本当に言葉がありません。ただひとつ言えるのは、来年も挑戦しなくてはならないということです」と2018年のル・マン再挑戦に向けた決意を語った。
「僕たちには速いマシンがありましたが、まだ、何かが足りなかったということでしょうか。ハードワークで準備して来たにもかかわらず、予想外のさまざまなアクシデントに見舞われました。来年はさらに充分な準備をして、よりハードに戦わなくてはなりません」
自身のスティントでトラブルに見舞われた可夢偉も「またしても、僕たちはル・マンで勝つことがどれだけ難しいかを思い知らされました。再度勝利を争うべく、必ず戻って来ます」とコメント。リタイアの原因となったクラッチトラブルについては次のように語った。
「僕たちのレースになると思っていただけに、本当に残念です。セーフティカー導入の間にピットインを行い、ピット作業の後、マーシャルからコースへ出てよいと指示されたので発進しました」
「その時、後方からセーフティカーがやって来たので、停止しろとの指示を受け、セーフティカーの後ろにつくために、クラッチを使ってエンジンパワーで、再スタートをしようとしたのですが、通常は行わない操作だったため、クラッチが壊れてしまいました」
「もしピットレーンに留まっていれば、TS050ハイブリッドはモーターのみを使ってスタートをするのですが、既にピットから出ていたため、その操作ができませんでした」
ル・マンデビューを果たした国本は「僕にとって初めてのル・マン24時間は残念なレースに終わりました」とレースを振り返った。
「初めての経験を楽しみ、トラブルに見舞われるまでは納得いく走りを見せられたと思います。9号車トヨタが止まっているのを見たとき、ここまで仕上げてくれたチームスタッフのハードワークを見ていただけに、本当に落胆しました」
「彼らのためにも良い結果を持ち帰りたかったのですが、厳しい結果となってしまいました。またル・マンに戻って来て、必ず雪辱を果たしたいと思っています」
チームは車両が返還され次第、直ちに7号車トヨタと9号車トヨタのトラブルとアクシデントの詳細な原因究明作業を行う。また、次の目標であるWECの年間タイトル獲得に向け、7月14~16日に行われるWEC第4戦ニュルブルクリンク6時間レースの準備を開始する。