レース中盤以降、実質的な総合首位を守っていた5号車キャデラックは、スタートから5時間が経過した時点で2番手につけるJDC-ミラー・モータースポーツの85号車オレカ07・ギブソンに30秒以上のギャップを築く快走をみせる。

 ところが、チェッカーまで残り35分となったレース終盤、6番手を走るESMの22号車ニッサンDPi、GTDクラスの86号車アキュラNSX GT3が相次いでストップし、この日5回目のFCYが導入される。

6回目のりスタートで首位に浮上するもトラフィックに捕まり5号車キャデラックに再逆転を許した85号車オレカ07・ギブソン
6回目のりスタートで首位に浮上するもトラフィックに捕まり5号車キャデラックに再逆転を許した85号車オレカ07・ギブソン

 チェッカーまで残り25分となってレースが再開されると、後続とのギャップを失った5号車キャデラックのジョアオ・バルボサはリスタートに失敗。背後に迫っていた85号車オレカのステファン・シンプソンはこれを見逃さず、ストレートで並びかけると1コーナーで一気にオーバーテイク。レース終盤にトップを奪った。

 レース時間が残りわずかとなり、LMP2マシンの2017年シーズン初優勝という結果になるかと思われた最終盤、抜かれた5号車キャデラックが85号車オレカの背後にピタリとつけると、85号車オレカが最終コーナーでトラフィックに引っかかる。

今季初優勝を果たした5号車キャデラックDPi-V.R
今季初優勝を果たした5号車キャデラックDPi-V.R

 チェッカーまで残り10分で訪れたこのチャンスを、5号車キャデラックのバルボサは一撃で仕留め、再逆転に成功。そのまま85号車オレカを従えてトップチェッカーを受けた。総合3位にはマツダ・モータースポーツの55号車マツダRT24-Pが3位に入っている。

「トラフィックが結果に影響してくることは分かっていた」とバルボサ。

「(ステファン・)シンプソンが最後のコーナーでGTマシンに引っかかったので、1コーナーで並びかけた。彼は十分なスペースを残してくれていた。とても楽しいレースだったよ」

 5号車キャデラックのレースを制したことで今シーズンのWSCCは開幕戦デイトナ24時間から6戦連続でキャデラックが優勝を果たすこととなった。

オープニングラップに他車と接触し戦線離脱を余儀なくされた10号車キャデラックDPi-V.R
オープニングラップに他車と接触し戦線離脱を余儀なくされた10号車キャデラックDPi-V.R

 なお、開幕5連勝を飾っていたウェイン・テイラー・レーシングの10号車キャデラックDPi-V.Rはオープニングラップで他車と接触し戦線離脱。優勝争いに加わることはできなかったものの、6ラップダウンから3ラップダウンまで挽回し、総合6位で完走した。

 総合3位となった55号車マツダの僚友、70号車マツダはマシントラブルによりリタイアとなっている。

■93号車NSX GT3が第5戦デトロイトに続く勝利

本日のレースクイーン

菊池ゆうきくちゆう
2025年 / スーパーGT
TWSプリンセス
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円