創業者であり代表を務めるニック・ワースは、2019年のWECシーズンに向けノン・ハイブリッドP1マシンの開発に着手していることを明かし、「いくつかのファクトリーチームが去った今、我々の持つクローズド・スポーツカーの豊富なノウハウを活用して、何か面白いことを始めるべきだと考えた」と語っている。
「さまざまなパワープラントを見て評価し、ルールを解析して何が可能かを見極めなければならない。我々は競争力のあるものをグリッドに並べられる……と感じない限り実行に移すことはない。我々のビジネスモデルは、ジネッタがやっているようにシャシーだけを製作して誰かに販売する、というものではないからね」とワース。


同じくイギリスのリーズに拠点を構えるジネッタは、まだ販売先を明かしていないものの、すでに3台のLMP1を受注したと発表。初期生産では10台の製作を計画し、すでに6台が販売可能な状態のローリングシャシーとして完成しているという。
また、前出のワースが希望する形態に「よく似ている」と自身が認めるのが、ロシアのBRエンジニアリングとSMPレーシングをパートナーに迎え、LMP1マシン製作に取り組むダラーラだ。
すでに彼らは”BR1″と名付けられた新型LMP1マシンのシェイクダウンテストを実施しており、プライベーターのSMPレーシングが2018/19″スーパーシーズン”からの参戦を目指している。
最終的なマシンの仕様は規定が確定する時期に左右されることとなるが、来年1月にはフィックスし、希望する顧客への販売を行う用意があると、BRエンジニアリング代表のボリス・ローテンバーグは説明する。
「WECシリーズ(FIAやACO)は、我々がグリッドに並ぶ後押しをしてくれるだろう。望むなら、このマシンと同じものを顧客に販売する用意があり、モディファイに対応することもできる」

そして同じくイギリスのエンジン製造メーカーであるジャッドは、ノン・ハイブリッドLMP1ユーザーに向けた72°のバンク角を持つ新開発V10エンジンの設計製作を表明。
この5.5リッターの自然吸気V10は、日本のデザイン企業であるAIMとの共同開発で以前の汎用ジャッドよりシリンダーブロックの大幅な軽量化を実現。全く新しい燃焼室形状とピストンを採用しているという。