しかし、そんな接近戦のなかでモクがドライブする61号車フェラーリは54号車フェラーリとLMP2カーに挟まれる形で接触。3台ともにマシンにダメージを負いピットインを強いられてしまった。
ライバルの54号車フェラーリがリタイアとなるなかチームは懸命にマシンを修復し、わずか15分の作業時間で61号車フェラーリをコースに送り出す。

レース中盤以降、チームはモク、グリフィン、澤とバトンをつなぎラストスティントをエースのグリフィンに託すも15分間のタイムロスは取り戻せず。最終的にクラストップから6周遅れの4位完走となった。
この結果、ランキングは今戦で優勝した98号車アストンマーチンがトップに浮上し、クリアウォーター・レーシングは11ポイント差のランキング3番手に後退。間のランキング2番手にはデンプシー-プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRが入った状態で最終戦バーレーンを迎える。
第8戦を終えて「今回はアストンマーチンが速く、そのなかで2位を取りに行かなくては行けないレースだったので、この結果は残念です」とレースを振り返った澤。
「第6戦オースティン、そして前回の富士戦での好走を継続できる状況だっただけに、決勝中の接触はただただ残念です。レーシングアクシデントと判定されたので文句を言える立場ではありませんが……」
「個人的には決勝中のアベレージラップでは4位と健闘し、自分の力強い走りが今回も発揮できたことには満足をしています。また、コース復帰が難しいかもしれない大きなダメージを負ったマシンをわずか15分で修復し、4位完走をもたらしてくれたチームのプロフェッショナルな仕事に感謝したいですね」
タイトル争いについては「挑戦1年目の世界選手権でチームタイトル争いに加われていることだけでも素晴らしいことなのかもしれませんが“タラレバ”とちょっとの運さえあれば、もっと楽な戦いができているはず。これが世界選手権の厳しさなのかもしれません」とコメント。
「当然チャンピオンは獲りたいですし、諦めずに全力で最終戦バーレーンに臨みたいとは思いますが、シーズンを気持ちよく終えられるように納得のレースができることを切に望みます」
WEC第9戦は11月16~18日に中東・バーレーンで開催される。