「世界選手権という夢のような時間を1年間、無事に戦い終えることができました」語った澤は2017年シーズンを次のように振り返った。
「開幕戦シルバーストンはとてつもない緊張のなかでスタートドライバーを務め、ラストラップの劇的ドラマでいきなり初優勝を飾った。第2戦スパ・フランコルシャンは世界選手権の厳しさを再認識するも、世界屈指の難コースでの3位表彰台を獲得できました」
「自身2度目のル・マン24時間レースは全体としては地に足付けた戦いができたが、表彰台のチャンスを逃すパンクチャーの原因となった接触が悔やんでも悔やみきれません。しかし、クラス5位(WEC参戦組では最上位での)完走でチームランキングトップに立ちました」
「第4戦ニュルブルクリンクではシリーズに慣れてきて、スタートドライバーとして良い走りができたと思います。また、第5戦メキシコは接触で勝負権を失い5位となりましたが自分のスティントではミスなく走ることができました」
「オースティンでは2位でしたが、会心のスタートでトップに立って、首位のままピットに帰って来れたことで自信が付きました。母国ラウンドとなった富士は初めてのポールポジションスタートから優勝目前だったけれど、雨とセーフティカーに翻弄され悔しい2位に……。しかし、チームランキングではふたたびトップに返り咲けました」
「そんななかで迎えた第8戦上海は接触で4位。これでチームタイトル獲得も厳しくなってしまいました。今回の最終戦は来季の参戦継続が発表され、プレッシャーフリーで戦うことができましたが、やはり年間を通して強かったアストンマーチンが速く、我々は望みうるベストの戦いをしたものの届かなかったという印象です」
最後に「チームとしても自身にとっても初の世界戦行脚でしたが“初”が多いなかで客観的に見ても本当に良く戦えたと思います」と総括した澤。
「全9戦で5回の表彰台獲得は自分の与えられた仕事を期待通りに達成できた結果で、自分のレーシングドライバーとしての能力もまだ成長していることを実感しました。世界戦の裏で行なっていたレッスン事業のワンスマ活動との両立は色々な面で本当に苦しかったですが、新しい世界、新しい自分にまた出会うことができたシーズンでした」
今季と同様の布陣で挑む2018/19年のWECについては「来シーズンはチームも自分もさらに強くなって、チャンピオン奪還を目指して頑張りたいと思います」とさらなる飛躍を誓っている。
