更新日: 2016.06.06 16:46
可夢偉「ローダウンフォースパッケージで多くのデータを収集」
WEC第3戦 ル・マン24時間 テストデー
TOYOTA GAZOO Racing
TS050 HYBRIDによる初のフルコーステストで手応え
FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦ル・マン24時間レースのレースウィークを前に、通常は公道として利用されている特設コースを使用してのテストデーが6月5日(日)に行われた。TOYOTA GAZOO Racingは今季デビューとなったTS050 HYBRIDにとって初めて走るル・マンのフルコースで8時間にわたるテストをこなし、レースに向けて貴重なデータを収集した。
中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの駆るTS050 HYBRID #5号車はトップから1.822秒差の3分23秒197でテストデーでは総合5番手。小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの3名がドライブする#6号車は6番手のタイムをマークした。
約1年にわたる、ドイツ・ケルンのTMGとトヨタ東富士研究所での努力の積み重ねにより生み出されたTS050 HYBRIDは、新たに2.4リッター直噴ツインターボエンジンと、8MJに対応したバッテリー方式のハイブリッドシステムを採用、無念の結果に終わった2015年のル・マン24時間レースの直後から改良を続け、この日のテストで手応えを得た。
2台のTS050 HYBRIDは規則により昨年に比べ燃料消費量を約10%低減されたにも関わらず、昨年のベストタイムを2.124秒も上回って見せた。
また、2台はトータルで179周、2440kmを走破し、耐久性の面でも高い能力を示した。#6号車はこの日LMP1カーの中で最も多い周回をこなした。
TS050 HYBRIDの開発においては、チームのアドバイザー兼アンバサダーのアレックス・ブルツが、2度のル・マン勝利の経験を活かし、既に今季も数回のテストに参加している。今回のテストでも#6号車で5周をこなした。
ル・マン24時間レースが行われるサルト・サーキットのほとんどは通常、公道として使用されており、この日行われた2度の4時間にわたるテストセッションは、レースウィークの6月15日(水)に練習走行が開始されるまで、唯一フルコースを走行出来るチャンスとなる。
この日のテストは、ル・マン24時間レースに向けて開発してきたローダウンフォース仕様での初走行であり、その競合力を見極める意味でもチームにとって非常に重要な機会となった。
この新しいパッケージは空気抵抗を低減して設計されており、ブレーキング時に充電された8MJのエネルギーによるハイブリッド・ブーストは最高速を更に向上させるものとなる。