ポルシェ、18回目の勝利を祝うもトヨタに同情「彼らに敬意を表したい」
6月18〜19日に開催された第84回ル・マン24時間耐久レースは、トップを快走していた5号車トヨタTS050ハイブリッドが残りわずか6分でスローダウンを喫しストップする幕切れとなったが、これで首位に浮上したロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リエブ組2号車ポルシェ919ハイブリッドが優勝。ポルシェは通算18勝目を予期せぬかたちで飾った。
■「我々は2位という結果を受け入れていた」
2015年にル・マン復帰後初勝利を飾ったポルシェは、予選ではフロントロウを独占。2号車がポールポジションからスタートし、5号車、6号車という2台のトヨタとの激闘を展開。終始同一周回でラップを重ねた。
しかし、終盤に向け首位に立った5号車トヨタとのギャップは埋まらず、381周目にはスローパンクチャーにより緊急ピットイン。「2位が考えうる最上のリザルト」と判断しチェッカーを待つばかりとなったが、残り3分でチーム、ドライバーにとっても予期せぬ勝利が転がりこむ結果となった。
「まず第一に、トヨタがレースを通じてみせたセンセーショナルな戦いぶりに敬意を表したい。彼らとは素晴らしい戦いを演じた。勝利を手にするほんのわずか前まで、我々は2位という結果を受け入れていたんだ」と語るのは、ポルシェLMP1担当副社長のフリッツ・エンツィンガー。
「私はバイザッハ、そしてここル・マンでの素晴らしいチーム、そしてすべてのポルシェの従業員とファンに声援を感謝したい」
また、チーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルも「まずケルン(トヨタ・モータースポーツGmbHの本拠地)の友人たちを気の毒に思う。あんな形で偉大なレースの勝利を手放してしまうことは、“最悪の敵”であろうと望まないことだ」とコメントを残した。
「だけど、これがスポーツというもので、良い時も悪い時も必ずある。だからこそ我々がこの競技を愛するんだ」
「我々は力強く戦い、勝利を収めた。トヨタにずっとプレッシャーをかけなければならず、レースを通じてフラットアウトを強いられた。ドライバーはずっとギリギリの戦いを求められたんだ。首位交代はとてつもなく多かった」