迎えた決勝ではスタート直後の第1シケインで多少の接触、小規模のコースアウトがあったものの、大きな混乱なくレースが進められ、クリーンなスタートとなった上位陣では6番手スタートのメルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3がスタートダッシュを決めて3番手に浮上する。
その後、ポールシッターの72号車フェラーリを先頭に淡々とレースが進められていくが、スタートから45分を回ったところでホームストレート上に落ちたデブリを除去するためフルコース・イエロー(FCY)が導入される。このFCYはすぐに解除されることになるが、そのリスタート時に4号車AMGを駆るマーロ・エンゲルが54号車ジャガーを交わして2番手に。
しかし、レースコントロールはFCY中に指定速度を上回ったとして4号車AMGにドライブ・スルー・ペナルティを提示、1回目のピットストップを終えてトップの72号車フェラーリの背後につけていた4号車AMGは10番手まで順位を下げることとなってしまう。
代わってトップに迫っていったのは5番手グリッドから徐々に順位を上げてきたストラッカ・レーシングの43号車メルセデスAMG GT3。マキシミリアン・バークのドライブする43号車AMGは、この日2回目のFCYのリスタートで加速の鈍った54号車ジャガーを交わして2番手に浮上すると、スタートからまもなく2時間を迎えるタイミングでミカエル・アレシン駆る72号車フェラーリを攻略。トップに踊り出る。
43号車AMGは2回目のピットストップ後もトップを守るが、その後方ではピットタイミングと3回目のFCYが重なったことでポジションアップに成功したGRTグラッサー・レーシング・チームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3、スタートで順位を落としていた1号車アウディの2台がそれおぞれ2番手、3番手に急浮上。
このうちバンスールのドライブする1号車アウディは、第3スティント開始直後からペースが良く、すぐに63号車ランボルギーニ攻略すると、フィニッシュまで残り40分となったところで首位を走る43号車AMGの背後につけ、10分後にはサイド・バイ・サイドのバトル持ち込んだ。
最終パラボリカから43号車AMGのイン側に入った1号車アウディは、ストレートで一度はこれを抜いたものの、ストレートイン側のトラックリミットを超えたとして、順位を戻すようレースコントロールから指示を受ける。
翌周のホームストレートで43号車AMGに首位を譲った1号車アウディだが、直後の1コーナーでふたたび並びかけると2台はわずかに接触。アウト側からオーバーテイクを仕掛けた1号車アウディは左側のタイヤをダートに落としたことで態勢を乱し、ゴッツ駆る43号車AMGとのギャップを広げられてしまった。


