とはいえ、なんとかピットに戻されたマシンは無事に修復されチェッカー! クラス順位も落とすことなく、見事目標でもあったクラス優勝を飾った。レース後、山内は「良かったです。いろいろありすぎて、喜んで良いのか良くなかったのか分かりませんでしたが、レース後のピットの雰囲気見て、喜んで良いのかなと思いました(笑)」と笑顔をみせた。
「最初の1時間と最後の1時間でいろいろありすぎて。途中は順調だったんですけどね」
また、井口も「チェッカーを受けないとクラス優勝もなかったので、チームの『絶対にクルマをコースに戻す!』という思いがクラス優勝に繋がったと思います」とスバルでの初のニュル挑戦の結果に、ホッとした表情をみせている。
こうして結果を残すことができたスバル/STIだが、予選日、そして決勝と細かなトラブルが起きたのも事実だ。辰巳総監督は「今年は『アマチュアだな』と思いましたね」と自戒をこめてレースを総括してくれた。
「僕たちは素人かもしれないけど、信念を通せばプロにも勝てると思うんです。でも、やっぱり落とし穴がすごくいろいろなところにあって、それを見抜けなかった。普通に走っているときは本当に速かったんですけど、世の中そんなに甘くない……ということをこの歳になって思い知らされましたね」
とは言え、結果を残すことがレースでは最も重要なこと。スバルWRX STIの挑戦は、特に昨年悔しい思いをしているだけに、今季は“成功”と言ってもいいのではないだろうか。

