意図せず巡ってきた新型コンチネンタルGT3の初優勝のチャンスを掴みたいベントレーだったが、その後方からはブランパンGTシリーズ参戦後“初優勝”を狙う14号車レクサスが迫る。
チェッカーまで45分の時点で両車にあった8秒のギャップは残り30分で2.8秒に縮まり、さらに15分後には1.9秒に。直後このレース4回目のFCYが入るが、レースは3分後再開され7号車ベントレーのジュール・グーノン対14号車レクサスのコスタによる一騎打ちが6時間レースの最終盤に繰り広げられることとなった。
追撃の手を緩めないグーノンは目前に迫ったライバルの背中を射程に捉え、ついに2台はテール・トゥ・ノーズの状態でファイナルラップを迎える。セクター1を抜け、超ロングのミストラルストレートにほぼ同時に突入した2台のバトルの結末はストレートエンドで訪れる。
先行する7号車ベントレーのスリップストリームに入った14号車レクサスのコスタは、ストレートエンドの右コーナーであるターン9でイン側から並びかけると、そのまま華麗にオーバーテイクを決めて最後は2秒差でライバルを振り切ってエミール・フレイ・レーシングとレクサスRC F GT3にシリーズ初優勝をもたらした。
2位となった7号車ベントレーは初優勝を逃したものの、デビュー後初の表彰台を獲得。3位にはレースの大半をリードした58号車マクラーレンが入り、以下、メルセデスAMG・チームAKKA ASPの88号車メルセデスAMG GT3、GT SPORT・モチュール・チームRJNの23号車ニッサンGT-RニスモGT3までがトップ5となっている。
「まだ夢を見ているようだよ!」と大逆転勝利の立役者となったコスタ。
「ジュール(・グーノン)のベントレーはセクター1が速かったがボディの一部が路面と接触してスピードが落ちていることに気がついた。一方、僕たちのクルマは最終セクターで良いペースを刻むことができ、最後の6周ではここで一気にジュールに迫ることができたんだ」と勝利の要因を語った。
レース終盤にドタバタと順位が目まぐるしく変化した第5戦ポール・リカール1000kmを終えシリーズは2018年シーズンの折返しを迎えた。次戦第6戦はスプリントカップ第3戦ミサノで、6月22~24日に開催される。エンデュランスカップの次戦はシリーズ第6戦スパ24時間だ。なお、第6戦の前にはテストデーが7月3日に予定されている。



