更新日: 2018.06.16 20:42
最高のワークスドライバーへ。世界で戦うスヴェン・ミューラーに聞くポルシェの育成プログラム【ル・マン24時間連載企画3回目】
■速くなるだけではないプログラム
ジュニアプログラムでは、2000年代にポルシェのファクトリードライバーとして活躍したサッシャ・マーセンがコーチを務め、コース上のテクニックやスピードを磨くためのテクニックを伝えた。もちろんそれだけではなく、スヴェンはさまざまなことをこのプログラムで学んだという。
「マーセンの教えに加えて、メディアへの対応を教えてくれるスタッフもいるし、フィットネスのためのスタッフもいる。ポルシェのファクトリードライバーと一緒にトレーニングキャンプに参加することができるんだ」
「そしてプログラムでは、ポルシェ カレラカップ、もしくはポルシェ モービル1 スーパーカップに参戦するためのバジェットを提供してもらえるんだよ」
ご存知のように、ポルシェ モービル1 スーパーカップは、世界最速のワンメイクシリーズであるカレラカップのなかでも最高峰に位置づけられる。ここでチャンピオンを獲れば、ファクトリーレーシングカーに乗るだけの実力があると認められるのだ。そしてスヴェンは2015年に4勝でランキング2位につけると、2016年に3勝。10戦中8回の表彰台登壇という高いパフォーマンスを示し、その資質を認めさせた。
「僕はジュニアプログラムで3年間を過ごしたけれど、本当にさまざまなことを学ぶことができた。スーパーカップでチャンピオンを獲得したことが、成功につながったことのひとつだと思う」
「それに、新しい車両の開発プログラムにも携わることができたんだ。たとえば、5月に発表された新型911 GT3 Rは僕が開発に携わっている。これは本当に重要なことで、僕くらいの若いドライバーがマシン開発に携わることなんて、他のメーカーには絶対にできない。ポルシェはジュニアプログラム出身のドライバーに、積極的にプロの仕事をさせてくれるんだ」