レース後半に向け、1971年にル・マン24時間を戦ったポルシェ917/20のカラーリングである“ピンク・ピッグ”をまとった92号車は、機械仕掛けの時計のように安定したラップを刻み続け、91号車に対し一定のリードを保っていく。一方、91号車はまたも2台のフォード勢とバトルを展開。日本でも戦ったフレデリック・マコウィッキがサーキットを沸かせる。
最後までパーフェクトなレースを展開した92号車は344周を走りきり、トップチェッカー。ポルシェにとって106勝目のクラス優勝を成し遂げた。さらに、往年のロスマンズカラーをまとった91号車も2位に入りワン・ツーフィニッシュを達成。92号車は、1971年のポルシェ917/20が果たせなかった勝利を38年ぶりに成し遂げてみせた。
「ポルシェにとってパーフェクトな週末だ。私たちのアニバーサリーイヤーに、これ以上のことを望むことは不可能だろう。こういったことを事前に計画しておくことは不可能だが、それを成し遂げたときの感情は言い表せないほどだ。この成功を可能にしたドライバー、チーム、そしてすべてのポルシェ従業員に“おめでとう”と言いたい。私はこれを大いに誇りに思う」とチェアマンのヴォルフガング・ポルシェ博士はコメントを残した。
ポルシェにとってまさしくパーフェクトだったのは、LM-GTEアマクラスで、デンプシー・プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRが優勝。両クラス制覇を成し遂げたことだ。「言葉にできない喜びだよ。どれほど誇らしいか伝えきれないし、ポルシェにとっても喜ばしい」と共同オーナーのパトリック・デンプシーはレース後語った。


