2017年はマシントラブルなどでル・マン制覇を逃したトヨタ。2018年大会に向けては「ユニット(パワーユニット)のネジ1本から見直した」(小島正清GRモータースポーツ部部長)とマシンの信頼性に万全を期したほか、テストなどでさまざまなトラブルを想定した予行演習を重ねて、対策マニュアルを万全にして臨んだ。

 また、可夢偉は今年チームが変化した点として「縁石に乗るとすぐ怒られた」ことを挙げた。

「練習走行から縁石に乗らない練習をしました。ル・マンは縁石を跨いだほうがタイムが出るサーキットなんですけど、すぐ怒られちゃう。そういった面で気を使いながら走りきりました」

「あと8号車とのタイム差は1度も教えてくれませんでした。(相手が)どこにいるかを教えてくれたのは、最後チェッカーを受けるために一貴と合わせる(ランデブー走行する)タイミングだけ。それ以外は一切教えてもらえなかったので、本当に自分との戦いでした」

 これまではシリーズの天王山としてのポジションを占めてきたル・マン24時間だが2018-19年の“スーパーシーズン”としてはまだ2戦目。2019年6月のシリーズ最終戦には第87回ル・マン24時間も待ち構えている。

 シーズン残り6戦、そして来年のル・マンに向けて、一貴が「1回勝ったからと言って、これがゴールではないです。個人的にはシーズンでチャンピオンを獲ることも大きな目標」と意気込みを語れば、可夢偉も「残りのレース、とにかく勝つことを考えている」と力強くコメントした。

「チャンピオンを獲るためには次のル・マンも勝たなくてはならないレースだと思います。チームメイト同士でガチンコ勝負をして、来年のル・マンでも勝ちを狙っていきたいです」(一貴)

トヨタのル・マン24時間優勝メディア報告会に出席した小林可夢偉
トヨタのル・マン24時間優勝メディア報告会に出席した小林可夢偉

「単純にレースに勝つことだけを考えて、残りのシーズンを戦います。チームもいろいろなプレッシャーから若干解放された部分もあると思うので、しっかりレースで勝つという、いつもどおりのスタンスで臨みます」(可夢偉)

 今年みせた信頼性と速さを、残りの5戦、そして最終戦となる2019年6月のル・マンで発揮できるか。シリーズチャンピオン獲得とル・マン連覇に向けて、トヨタの挑戦第2幕がスタートする。

先にお伝えしたデイトナフィニッシュ時のエピソードを明かす場面では笑顔を見せる場面も
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