Ryuji Hirano / autosport web

「勝てると思っていたのでちょっと悔しいですね。でも気持ち良かったです。ポディウムの風景も日本とは全然違いましたよね」と星野は表彰式を終え、初めてのWECのレースを振り返った。

 星野は世界選手権の挑戦こそ初めてだが、2015年にはドライビングアドバイザーを務める藤井誠暢とともに、フライング・リザードのアウディR8 LMSを駆り、デイトナ24時間に出場したことがある。ただ、そのときは「あの時は全然実力も経験もなかったです。怖いだけで終わってしまいました」と不完全燃焼に終わっていた。

 しかし今回は、「コースを知っている面もありましたが、仕事をしっかりできた」と素晴らしい仕事ぶりをみせた。この星野の走りに、デンプシー・プロトン・レーシングからは「次の上海も出てくれ」と言われたという。

 残念ながらWEC上海戦はスケジュールの都合で出られないため“お断り”となったが、「走ってみて、ブロンズカテゴリーのなかでは割といけるのかな……という自信はつきましたね。ミスもなかったですし」と星野自身も手ごたえを得たようだ。

「当然シルバーやゴールドのドライバーには負けてしまいますが、それぞれ役割分担がありますからね。良くできたレースだな、と感じています。役割をしっかりまっとうすれば結果が出る。面白いです」

 今回好走をみせたことで、星野自身が「目標のひとつ」と掲げるル・マン24時間への確実な手ごたえを得た。「今回はたまたまスポット参戦でチャンスをもらいましたが、また機会があればWECは出てみたいと思っています。シリーズでは……資金の面もありますからね(笑)。考えたいです」と星野は濁したが、“目標”が目に見えるところに来たのではないだろうか。

“速いジェントルマンドライバー”は、世界的に見ても多くのチームでニーズがある。今回星野が活躍をみせたことで、星野の世界への挑戦が加速しそうな予感だ。

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