更新日: 2018.10.24 17:21
澤圭太、参戦中止発表直後の地元戦は悔しさ残る7位。「このチームで最後のWEC富士となったことが本当に悲しい」
レース後、最後のWEC富士を戦い終えた澤は「『終わっちゃいました』っていうのが正直な感想です」と言葉をこぼした。
「今回は地元レースでもあり、チームからも発表があったとおり、僕が世界選手権のドライバーとして“自分の庭”とも言える富士スピードウェイを走るのは最後になるという想いでレースを迎えました」
「予選アタックもWECに参戦して以来、初めて任せてもらうことができました、18人居る(GTEアマクラスの)アタックドライバーの中で、同じフェラーリ488 GTEをドライブするフィジケラにも勝って6位のタイムを出せた。渾身のアタックができました!」
決勝のふり返りでは「スタートを担当して序盤の難しいコンディションのなかでクラス2番手まで上がれて、レースでの力強さと確実なレース運びという自分の持ち味を、冷静に100%発揮できたと自負している」とコメント。
「途中で接触とドライブスルーペナルティがあったりして後退しましたけど、チームの計算ではあれがなくても4位が精いっぱいだったそうです。それでも、僕は表彰台圏内でのレースをしていたと感じていたので、最後の壮絶だけど6位争いという映像を見ながら自分たちの感覚とはかけ離れた位置でのレース結果に失望しました」
「ウエットのような難しいコンディションのなかでは、バランスの良いフェラーリ(が有利)。しかし、完全なドライ路面になると、ポルシェやアストン勢にスピードで及ばない部分も露呈した内容だったと思います」
■「もう一度乗るつもりだったのに……」
「しかし、現地に観戦に来ていただいた多くの支援者とゲストのみなさんに、恥じない熱い走り、そして日本に居るとなかなか見られない、世界選手権のレースを内側からお見せできたこと。そこで魂を焦がして戦っている僕の姿を見て頂けたことは本当に良かったです」
レース途中、2度目のドライブに備えていたところ、チームから「澤はもう規定の時間を乗ったからもう乗らないよ」と伝えられ拍子抜けしたという澤。
「まさかスタートから一気に2時間近く走って、自分の役割が終わったとは思っていなかったです。僕のなかではもう1度出走する心づもりだったので『あ~、あれが僕のWEC富士最後の走りだったのか……』という気持ちでしたね」
「長きに渡ってレースを戦ってきましたが、まだなお自分の中で成長を感じ、良い走りができるという感触があるなかで、長年一緒に戦ってきたこのクリアウォーター・レーシングの体制で富士を走るのが最後になってしまったことが本当に悲しいです」
「最後になるであろうWEC母国戦でヘルメット越しに見る富士スピードウェイの景色は本当に素晴らしかった! 来年以降のレース活動については決まり次第改めて発表しますが、まずは誇りを持ち胸を張ってWEC最後の地、上海へ向かいたいと思います」