5シーズンに渡って採用されるハイパーカー規定において、マニュファクチャラーには“エボリューションキット”の投入が許可されるという。
このジョーカーは2025年までに計5回に限定されるが、各メーカーはシーズンごとに改良を加えることで2020年から5年間、ニューモデルを導入することなくシリーズを戦うことが可能となる。
また、FIAはハイパーカー規定の導入にあわせて2020年から可動式の空力パーツの導入を許可した。
現行のLMP1カーでは禁止されているこの装置は、フロントとリヤにそれぞれ設置することができる。しかし、その利用には制限がかけられるとされ、可動パーツの作動位置は2カ所とされた上で固定位置の変更はドライバーがコクピットから行わなければならない。
■2019/2020年シーズンから給油中のピット作業が禁止に
FIAとACOフランス西部自動車クラブは、ハイパーカーに関するテクニカルレギュレーションを発表すると同時に、2020/21年からシリーズの最高峰クラスにサクセスバラスト制を採用することを明らかにした。
トップクラスの競争をより激しいものとするため、FIAとACOは2019年からELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのGTEクラスに導入されるサクセスバラストを導入する。
ツーリングカーシリーズやGT3カテゴリーで運用実績のあるこのシステムを、ハイパーカーではシリーズポイントを1ポイント得るごとに0.5kgのウエイトが加算されるかたちで運用。第2戦以降最大50kgまでウエイトが追加されるが、ル・マン24時間に限ってはこの制度を適用しないという。
この他、FIAは2018/2019年の“スーパーシーズン”で解禁された給油中のピット作業を2019/2020年シーズンにはふたたび禁止する旨を明らかにした。
給油中のピット作業はこれまで、安全性を理由に禁止されてきたが、スーパーシーズンではピット作業の競争をフィーチャーさせる目的で解禁した。しかし、これによって戦略面の幅が狭まり、耐久レースとしての魅力が低下したとの声が挙がっていた。
