IMSA DPiというマシンも、デイトナというコースも初めての小林可夢偉は、24日のプラクティス1、2回目、そして予選で走行のチャンスを与えられなかった。
アロンソは2回目のプラクティスから走ったが、可夢偉は予選後のナイトプラクティスが合同テスト以来の走行となった。土曜日の午後2時半にスタートが切られるレースでも彼は暗い間のスティントを任せられるようだ。
「テストで走ったのは50周以下だと思う」と話す可夢偉は、まだキャディラックDPi-V.Rというマシンを完全に手足のように操ることのできるレベルに達していないと認める。
しかし、「難しいマシンでも、難しいコースでもない」とドライビングには何の心配もしていない様子だった。
「それよりもフルコースコーションなど、アメリカ独特のルールの方が(完全に)理解するのが難しいと思う。マシンを自分のものにすることは、レースで走る中で可能」と自信のほどをみせていた。
難しい夜間走行を任せられるのも、彼がWECで見せてきた実績をWTRというチームがフルに信頼していることの証拠だろう。
チーム・オーナーのウェイン・テイラーはIMSAシリーズで多くの実績を挙げている元ドライバーだが、彼は「うちのエンジニアたちが昨年のWECシリーズでの全セッションの全ラップをチェックした結果、可夢偉は飛び抜けたスピードと安定感を有しているとわかった。だから『デイトナを走ってくれないか?』というオファーをした」と起用の事情を説明。
可夢偉自身も、「レースでは最後の2時間に勝負のできるポジションにつけられるよう、自分たちのマシンを走らせることを目指す」と目標を話した。初挑戦のデイトナ、そしてIMSAのレースだが、優勝を十分に狙える体制であると確信をしているようだ。
