更新日: 2019.03.16 21:49
最後は豪雨となったレースで中嶋一貴組トヨタ8号車がポール・トゥ・ウイン/WEC第6戦セブリング決勝
スタートから3時間を過ぎ、両車ともに3人目のドライバーを送り出したトヨタ勢は、ここにきて8号車の一貴と7号車を駆るコンウェイの差が詰まり3秒差に。膠着状態で迎えたスタートから4時間のタイミングで、レースは268周レースから8時間のタイムレースに移行した。
134周目、8号車トヨタのすぐ背後にまで迫った7号車トヨタがピットインし、コンウェイからロペスに交代。翌周には8号車も一貴からブエミに代わり、ふたたび接近戦が展開されていく。
しかし、145周目に7号車トヨタが緊急ピットインする。国際映像のリプレイによるとピットインの直前、7号車トヨタはGTEカーとの接触を避けるために縁石のさらに内側を走ったことでマシンにダメージを負ったようで、リヤカウルを開けての修復作業によってトップから2周遅れとなってしまった。
これで楽になった8号車トヨタは、レース時間残り30分あまりから降り出した雨の影響で最終盤に2度のタイヤ交換を強いられることにはなったが、中盤以降もブエミからアロンソ、さらに一貴へとドライバー交代しながらコンスタントに走行を継続していく。
そして最後はロイック・デュバル駆るTDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソンのクラッシュによって出動した2度目のSCランの下で、スタートから一度もトップを譲ることなくトップチェッカーを受けた。
トラブルで遅れを取った7号車トヨタも豪雨に見舞われた終盤は無理をせず1周遅れの2位でフィニッシュした。これによりトヨタはWEC“スーパーシーズン”中5度目となるワン・ツー・フィニッシュを飾っている。
総合3位には、残り1時間を切る間際にトラブルを抱えてピットインした3号車レベリオンに代わって、表彰台圏内に浮上したSMPの11号車BR1が入った。ドライバーのひとりであるブレンドン・ハートレーは、自身のWEC復帰戦を見事ポディウムフィニッシュで飾っている。一方で、僚友17号車のセルゲイ・シロトキンは搭乗前のクラッシュにより戦わずしてレースを終えた。
なお、トップフィニッシュした8号車トヨタは今回、253周をラップ。その走行距離は約1522kmに上ったが1000マイル(約1600km)までは僅かに届かなかった。
LMP2クラスではウィル・スティーブンス駆るジャッキー・チェン・DCレーシングの37号車オレカ07・ギブソンがオープニングラップでトップを奪う一方で、ポールシッターの38号車オレカは4周目にシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソンに交わされ、後退してしまう。さらに38号車オレカはマシントラブルを抱えガレージに戻されてしまった。
そんななか、37号車オレカは他を寄せ付けない強さをみせてクラス優勝を果たす。クラス2位はニラコ・ラピエール擁する36号車アルピーヌがつけ、3位には2度にわたってリヤウイング交換をしながら上位に復帰したドラゴンスピードの31号車が入った。