それでもマツダはもう1台の55号車マツダRT24-Pが健闘をみせ、この後にトップ争いへと加わった。1台のみになりはしたが、彼らは折り返し点の6時間経過近くまでそのポジションをキープし続けた。
しかし、ジョナサン・ボマリートがコースオフしてタイヤバリアに突っ込み、フロントカウル交換などを行ったことでラップダウンに。その後はジワジワと優勝戦線から引き離されていった。
レース時間の半分が経過する頃から、トップ争いはアクション・エクスプレス・レーシングの2台と、前戦優勝のウェイン・テイラー・レーシング、10号車キャデラックDPi-V.Rという合計3台のキャデラックに絞り込まれ、その後ろにはJDC-ミラー・モータースポーツの黄色いキャデラック2台がつけた。
しかし、キャデラックのトップ5独占はそれほど長くは続かず、総合4番手の座は7号車アキュラとコア・オートスポーツが走らせる54号車ニッサンDPiの間で争われる展開に変わっていく。チームこそ新しくなっているが、ニッサンDPiは2018年のセブリングウイナーで、侮ることはできない。
日が落ちてからのトップ争いでの注目は、勝つのはアクション・エクスプレス・レーシングのどちらのキャデラックとなるのか、それともデイトナウイナーのウェイン・テイラー・レーシングがそれを阻み、開幕2連勝を達成するかに絞られた。
しかし、土壇場になってキャデラック軍団の1周後方で4番手争いを続けていたニッサンとアキュラにもチャンスがやってくる。
ゴール前2時間少しというタイミングでGTDマシンの1台がストップし、フルコースコーションとなったのだ。アキュラはこれによって、ついにリードラップ復活を果たす。まだゴールまで時間は残されており、事態は一転、5台全車に優勝のチャンスがあることとなった。
ゴール15分前に最後のフルコースコーション。リスタートは残り6分で切られた。しかし、そこからの戦いでキャデラックの牙城が揺らぐことはなく、最後はキャデラックのワン・ツー・スリー・フィニッシュに。
総合優勝はナッセ、クラン、デラーニ組の31号車キャデラックDPi。デイトナでは終盤、フェルナンド・アロンソが搭乗した10号車キャデラックに首位を明け渡してしまったが、今回は見事リベンジを果たしている。
トップと1.030秒差の2位にとなったはジョーダン・テイラー、マシュー・バシビエール、ランガー・バン・デル・ザンデの3名で第2戦に臨んだコニカミノルタ・キャデラック10号車キャデラックDPi-V.R。3位にはアルバカーキとジョアオ・バルボサのコンビにブレンドン・ハートレーが加わった5号車キャデラックDPiが入った。
自身2連覇を含む直近4年で3回目のセブリング総合優勝を飾ったデラーニは、「何もかもが完璧で、ドライバーもチームも与えられた仕事をこなし切った」と勝利を自画自賛していた。
■フレデリック・マコヴィッキィ組911号車ポルシェがGTLMクラス優勝



