2019年に北米NASCARやオーストラリア・スーパーカーへの新型マスタング導入を成功させた、フォード・パフォーマンスのモータースポーツ部門ディレクター、ピーター・ラッシュブルックは、このモデルが前述のいずれのカテゴリーを示唆するモデルになるかは明らかにしていない。
しかし、マルチマチック社のホルトは「WECでのファクトリー活動終了後も、マルチマチック・モータースポーツ・ヨーロッパの社内部門は維持する」との興味深い発言も残している。
また、2019年ル・マン24時間耐久レースの会場でトヨタとともに2020/21年のハイパーカー・クラス正式参戦を表明したアストンマーティンは、AMRでのワークス活動と並行して、新型『アストンマーティン・ヴァルキリーAMR Pro』のカスタマー供給を行う用意があることを明かしている。
この新型ハイパーカーのカスタマーカー供給の可能性について尋ねられたAMR代表のデヴィッド・キングは、欧州メディアに対し「明らかに、イエスだ」と応えた。
「それは初年度ではないかもしれないが、我々の優秀で勤勉なトップレベルのカスタマーチームが、このマシンでレースすることを望んでいないとしたら、それは驚くべきことだろう」と自信をみせたキング。
これまでの経験から、AMRは多くのカスタマーカー販売の実績を持っており、「そうしたノウハウは充分だし、より多くのアストンマーティンがレーストラックを走る姿は、本当にワクワクするものになるだろう」と続けた。
AMRとして、すでに優良カスタマー向けにアナウンスを始めているとみられ、2019年はDTMドイツ・ツーリングカー選手権やブランパンGTでもアストンとの密接な協力体制を敷いてきたRモータースポーツなどが、ル・マン参入に興味を示している。

