16年仕様の大きな変更点としては、空力デザインとエネルギー貯蔵装置の変更が挙げられる。

空力デザインはウイリアムズやBMWザウバー、ホンダなど多くのF1チームを渡り歩いてきたヨルグ・ザンダーが担当。強烈なまでに細められたフロントノーズとフェンダーの間に、F1マシンのように巨大なウイングが備えられるなど、F1譲りの技術が活かされている。
また、いち早くハイブリッドシステムをWECに持ち込んだアウディは長らくエネルギー貯蔵装置にフライホイール式を採用してきたが、今季からポルシェやトヨタと同様のリチウムイオン電池方式に変更。
あわせて、貯蔵できる容量も強化し、1周あたりのエネルギー放出量も昨年までの4MJから6MJにステップアップ。より多くのアシストを行えるように仕上げている。

エンジンは従来と同様、ディーゼルエンジンで4リッターのV型6気筒ターボを搭載しているものの、燃焼室の形状変更など細かなリファインを重ね、さらに熱効率を高めている。


ドライバーは7号車がマルセル・ファスラー/ブノワ・トレルイエ/アンドレ・ロッテラー、8号車がルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービスという布陣。
トレルイエやロッテラー、デュバル、ジャービスなど、日本のモータースポーツファンにとっても馴染み深いドライバーが多く、日本のファンも多い陣営と言えるかもしれない。