そのわずか5分後、ボマリートからティンクネルにドライバー交代を終えた55号車マツダが、片翼を欠いた6号車アキュラに襲いかかる。この2周前からテール・トゥ・ノーズのになっていた2台は38周目、並走しながらホームストレートを通過。緩やかに右へ90度折れるターン1に向かって突進していく。
ここでアウト側のラインを採ったティンクネルは、鮮やかに大外刈を決めて首位に浮上。反対にファン・パブロ・モントーヤ駆る6号車アキュラは、このレースで初めてマツダにレースリーダーの座を明け渡してしまった。
その後、55号車マツダは2度のルーティンピット作業を経て、6号車アキュラとの差を約5秒と開いていく。だが、モントーヤから代わり再びマシンに乗り込んだキャメロンがレース終盤にじりじりとその差を詰めていく。
レース残り2分、55号車がトラフィックに引っかかったタイミングで2台のギャップはほぼゼロに。さらに3番手の77号車マツダもこれに加わり3台がテール・トゥ・ノーズの状態でファイナルラップに突入した。
再び優勝を手にしたいティンクネルは多数のトラフィックが進路を遮るなか、ときに接触しながらもなんとかキャメロンの猛攻をブロック。最終的にわずか0.227秒という僅差で2勝目を勝ち取ってみせた。敗れた6号車アキュラはポールポジションからスタートしたものの、第5戦デトロイト以来の今季3勝目とはならず。第7戦からの連勝を狙った77号車マツダは3位でレースを終えた。
なお、4位となったウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rはトップ3から70秒以上遅れてのチェッカーとなり、“強豪”ウェイン・テイラー・レーシングの10号車キャデラックDPi-V.Rも5位が精一杯。今戦から車重が20kg増の980kgとなったキャデラック勢は一度も優勝争いに加わることができずにレースを終えることとなっている。
LMP2クラスはPR1・マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソン(マシュー・マクマリー/パトリック・ケリー組)が、パフォーマンステック・モータースポーツの38号車オレカ07を逆転して第4戦ミド・オハイオからの連勝を4に伸ばした。
■2時間40分、ノーコーション。条件は同じでも2ピットが正解


