一方、スタート直後はペースが上がらずクラス最後尾に甘んじていた1号車レベリオンは1回目のピットイン時にナトからメネゼスにドライバー交替を行い、同時にタイヤも交換してコースに出ていくと、その後はペースを取り戻しライバルたちの脱落にも助けられて1時間過ぎには総合2番手に。スタートから1時間15分後には8号車トヨタを駆るブエミをオーバーテイクして首位の座を取り戻すことに成功した。
順位変動が相次いだ序盤戦とは打って変わって、落ち着いた展開となったレース中盤も1号車レベリオンは好ペースを維持してみせ、2番手に下がった8号車トヨタとのギャップを25~30秒ほどで保っていく。終盤にかけては、メネゼスからステアリングを受け継いだセナが抜群の安定感をみせ、トヨタ勢とのギャップをさらに広げると、最終盤にはマイク・コンウェイがドライブする7号車トヨタをラップダウンにしてスタートから4時間後のトップチェッカーを受けた。
スイスのLMP1プライベーターチームにとってこの勝利は、昨シーズン第3戦シルバーストンでワン・ツー・フィニッシュを飾ったトヨタの2台が失格となったことで得たとき以来の総合優勝だ。
一時は総合首位を走ったチャンピオンカー、8号車トヨタは首位から66秒遅れの総合2位、僚友7号車トヨタが同3位表彰台を獲得した。序盤にワン・ツー体制を築き速さの片鱗をみせたジネッタ勢はピットストップでのミスなども重なり5号車ジネッタが1ラップダウンの総合4位、6号車は2周遅れでの総合6位でフィニッシュした。
山下健太がフル参戦しているLMP2クラスは、2番手スタートとなったジャッキー・チェン・DCレーシングの37号車オレカ07・ギブソンがスタート直後に首位に躍り出るが、これを同じガレージの僚友であるイオタの38号車オレカ07(ロベルト・ゴンザレス/アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/アンソニー・デビッドソン組)が逆転。17秒差で逃げ切ってグッドイヤータイヤユーザー初のクラスウイナーとなった。
クラス2位は38号車オレカとなり、グッドイヤーにとっては初勝利がワン・ツー・フィニッシュとなっている。3位はユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07が入り、レース前半の2時間を山下が3スティントにわたってドライブしたハイクラス・レーシングの33号車オレカはクラス6位となっている。
LM-GTE Proクラスでは、スタートから長らくポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSRとアストンマーティン・レーシングの95号車アストンマーティン・バンテージAMRが激しい首位争いを繰り広げたものの、勝利はAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evo(ジェームス・カラド/アレッサンドロ・ピエール・グイディ組)に渡ることに。クラス2、3位にはポルシェ勢が入った。
GTE Amクラスは前戦の富士で初勝利を挙げたTFスポーツの90号車アストンマーティン・バンテージAMR(サリ・ヨルック/チャールズ・イーストウッド/ジョナサン・アダム組)が2連勝を達成した。チーム・プロジェクト1の57号車ポルシェ911 RSRがクラス2位につけ、アストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージAMRが同3位表彰台を獲得している。石川資章とケイ・コッツォリーノが搭乗するMRレーシングの70号車フェラーリ488 GTE Evoは接触によるドライブスルーペナルティなどの影響でクラス7位に終わった。
2012年の発足以来、8回目のシーズンとなる2019/2020年WECの次戦第4戦バーレーン8時間レースは12月12~14日に、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。






