開幕戦シルバーストン以来、2戦ぶりの4時間レースとなった第3戦上海の決勝も山下がスタートを担当した。この際、チームは一度熱入れしたタイヤの方がタレが少ないと読んで、ライバル勢が新品タイヤを投入するなか中古タイヤをチョイス。だが、予測とは裏腹にスタートからハイペースで飛ばすライバルたちのペースはなかなか落ちてこない。
山下にとっては苦しい展開となったが、スーパーGTの新チャンピオンはグリップ力が低下したタイヤでも粘り強い走りをみせ、中古タイヤで2スティントを走破する。上位走行中の44周目に新品タイヤを履いて再びコースに出ていくと、67周目にトップと約15秒差のクラス2番手でマーク・パターソンにバトンをつないだ。スタートから2時間12分、3スティント連続の力走だった。
その後ハイクラス・レーシングは、パターソンが1スティント、フィヨルドバッハが2スティントを走ったところでフィニッシュを迎えLMP2クラス6位/総合11位でシリーズ第3戦を終えている。
チームはレース後、「予想以上に(決勝日の)路面変化が大きかった」とし、「我々も健太を最初から新品タイヤでスタートさせるべきだった」と分析。しかし、山下のペースはクラス平均3番手で、ワン・ツー・フィニッシュを飾った他のグッドイヤーユーザーの中では最速だった。
この点について「グッドイヤートップというのはうれしいです」と語った山下は、「今回もスタートを担当させてもらって、上位を争うことができたのでよかったです。予選も初めてトラブルなく走れましたし決勝も3スティント走って、いい経験ができました」と世界選手権での第3ラウンドを総括している。
山下とハイクラス・レーシングが次に迎えるレースは12月12~14日に行われるWEC第4戦バーレーン8時間レース。戦いの舞台は砂漠の中にそびえるバーレーン・インターナショナル・サーキットだ。


