「LMP1では、息を飲むような戦いが展開されています」と、LMP1担当副社長であるフリッツ・エンツィンガーが説明します。「前回のオースチン戦では、マニュファクチュアラー部門で競う3社すべてが表彰台を獲得しました。
全体的に見れば、サーキットの気温の変化だけでも決定的なパフォーマンスの差につながります。また、より速いプロトタイプがGTカーをオーバーテークする際に避けることのできないトラフィックもリスクと言えます。ポイントスタンディング上では、両方の世界選手権タイトルの防衛は射程内です。しかし富士を含む残り3レース、計18時間におよぶ戦いでは何が起こっても不思議ではありません」
さらに、チーム監督であるアンドレア・ザイドルは続けて、「一般的にいえば、前回のオースチン戦より富士では気温が下がるので、私達にとって好材料です。また、比較的ダウンフォースが大きい919は、このサーキットの難しさでもあるコーナーでは強さを発揮するはずです。2015年の富士では、激しい雨に見舞われました。季節がら、今年も十分に起こり得ることですが、我々は困難な状況にも対処できることを証明してきました」と述べています。
レース前のコメント:
ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)
ティモ・ベルンハルト(35歳、ドイツ):「クルマのセッティングは、長いストレート、高速の第1セクター、最終の曲がりくねったセクションでそれぞれ必要とされるものをバランスさせなければなりません。
また、路面はどちらかと言えば滑りやすくなっています。第13コーナーでは、クリッピングポイントが見えません。また、次のコーナーはフィーリングで走り、常に走行ラインを改善する努力をしなければなりません。
チャンピオンシップでの争いの厳しさを考えると、すべてを適切に管理することがカギとなります。ほんの些細なことで、マニュファクチュアラー部門の結果の行方が変わります。私にとって、この強力なクルーの一員であることが、大きな喜びです」
ブレンドン・ハートレー(26歳、ニュージーランド):「私達は、3連勝のよい勢いに乗って日本入りします。富士は私の好きなサーキットで、ここ数年のWECでは素晴らしいレースが出来ています。また厳しい戦いになると思いますが、私達が目標とし、集中するのは連勝を続けることです」

マーク・ウェバー(40歳、オーストラリア):「雄大な富士山を背景にした富士スピードウェイでは、いつもレースを愉しんでいます。これまでの2年間、日本ではファンの方々に暖かく迎えられました。
富士は独特なサーキットです。1周の距離が短く、スローなコーナーとクイックなコーナー、そして長い直線が組み合わされたテクニカルなレイアウトです。非常に難度が高く、すべてを上手くまとめるのは困難です。
最終セクターはタイトコーナーの連続ですが、実は私はこれが好きで、4WDの919には合っています。カーナンバー1として良いレースをしたいと思っています」