ウィルソンによると、レクサスとTRDは新しいプラットフォームの将来性をよりよく理解するため、運営グループ会議に「静かに」関与していると述べた。

「我々にはひとつの使命がある。それはトヨタとレクサスの経営陣にこのスポーツの状況と、DPiが哲学的に進んでいく場所について助言することだ」

「私たちは技術的な関連性やスタイリングの観点からDPi 2.0をサポートしている。レンダリングに関してはどれだけ示したかは分からないが、新しいプロトタイプレースではスタイリングの関連性が問題のひとつだ」

「公平を期すために言っておくと、DPi 2.0の成功の柱のひとつはスタイリングの関連性の向上にあるんだ。それは技術的な関連性と相まって、我々が潜在的に検討をするためのバーを動かし続けている」

■コストの問題でIMSAは妥協すべきではない

 仮にふたつの規則の収束が実現したとしても、TRDがトヨタGRスーパースポーツをモチーフに開発されたハイパーカーを使ってIMSAでレースをすることは「疑わしい」とウィルソンは言う。

 Sportscar365は2020/21年シーズンのWECでデビューするトヨタのプロトタイプ・ハイパーカーのプログラム予算が5000万ドル(約55億円)台であると理解している。

「ハイパーカーにかかる費用はたとえ新しい方法を模索したとしても、かなり法外なものになるだろう」とIMSA側に立ったウィルソン。

「この問題は明らかにレギュレーション統合時に直面する課題となっている。この点に関してDPiは素晴らしいフォーマットを持っている。ル・マンに行くためだけにそこまで妥協すべきではない」

■トヨタとレクサスが「互いを尊重して」ル・マンのトップクラスで競演か

 ウィルソンはレクサスがDPiプログラムにゴーサインを出し、それをル・マンに持ち込むことで親会社のハイパーカーと直接競合する場合となっても、大きな問題にはならないだろうと述べた。

「おそらく私たちが経営陣とともに解決していくことになるだろう。そして、それは明らかに適切かつ互いに敬意をもって行うことになるはずだ」と語ったウィルソン。

「この検討におけるより大きなポイントは、レクサスがDPiに移行する可能性を考えることだ。ルールの統合はその考えに大きな影響を与えるだろう」

「その方がずっと説得力がある。しかし、それなしでも不可能だとは言っているのではない」

2018年、2019年のル・マン24時間で勝利を飾っているトヨタ。2020/21年シーズンはハイパーカーを投じる。
2018年、2019年のル・マン24時間で勝利を飾っているトヨタ。2020/21年シーズンはハイパーカーを投じる。
エイム・バッサー・サリバンは2020年も引き続き、2台のレクサスRC F GT3を走らせる。
エイム・バッサー・サリバンは2020年も引き続き、2台のレクサスRC F GT3を走らせる。

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