「明らかにそれはアウディのアプローチするところであり、電動ドライブトレインこそ我々のメイントピックだ」と続けたラインケ。
「我々はフォーミュラEに関与しているが、あちらはスプリントフォーマットだ。そのため、我々のモータースポーツDNAとして耐久フォーマットの推移をフォローし続けているし『現時点では関与していない』というだけなんだ」
「それはハイブリッドという技術が現在進行形のテクノロジーであり、(近未来の完全電動化技術の開発を優先すべく)そうしたカテゴリーに関与するという判断が、現時点での我々のポートオフォリオにない、ということでもある」
「しかしながら、このLMDhは現時点で我々がアクセス可能で、かつユニークな規定を採用したことにより、とても興味深いものになっている。現段階では具現化に疑問符は付くものの、将来的にカスタマーレーシング部門で関与する可能性は充分にある」
「欧州や北米の両大陸をまたぎ、多くのマニュファクチャラーに受け入れられやすいハイブリッドの仕組みを取り入れている。それにデイトナ、ル・マンといった重要な意味を持つレースで総合優勝を狙うことも可能だ。したがって、多くのチェックリストに印が打てる規定だと感じている」
同時にラインケは、アウディのカスタマー部門にとってLMDhの潜在的な可能性が、DTMドイツ・ツーリングカー選手権のプログラムに取って代わる可能性はない、とも強調した。
「アウディの戦略は、何かを止めた場合でも、その人員を他の部門で活用することが第一義だと考えてはいない。何かを始めるには論理的な視野が必要だ。DTMがあるからといって、LMDhの検討を止めることもない、それらは無関係なんだ」
「メルセデスやアストンマーティンが去ったとしても、我々にとってのDTMの存在意義は、地元ドイツのファンの前で市販車部門でも直接のライバルとなるBMWと、真っ向勝負を繰り広げることにある。それこそが参戦意義であり、LMDhがそれに取って代わることはないよ」
