そんな山下だが、将来のLMP1挑戦を見すえ、2020年1月からドイツに移住している。TOYOTA GAZOO RacingのWEC活動の拠点であるTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)があるケルンで生活し、スーパーフォーミュラのために日本へ“通う”スタイルを採っている。
「ドイツでは英会話に通いつつ、TMGでシミュレーターをやらせてもらったり、TMGの人たちとコミュニケーションをとったりという生活です」という山下だが、充実した生活を送る一方で、悩んでいるのは食生活だ。「ドイツといえばソーセージとビールが美味しいのでは?」と話を向けると、「3日間とか1週間ならそれでいいんですけどね……」という。
「ゴハンは日本の方が美味しいです。僕は日本が大好きなので、1週間日本から離れると『お茶飲みたいな』って思っちゃったりもします(笑)」と山下。
「週に一度は日本料理のお店に通って、日本食を食べないとおかしくなっちゃいます(笑)。日本食を食べて頑張って、また元気がなくなったら食べに出かけます」
山下はいま、新型コロナウイルスの影響もあり、WECセブリング戦がレース直前で中止になった後は直接帰国しスーパーフォーミュラのテストに参加。その後も日本に留まっている。幸いヘルメットなどレースに必要なものは日本にあったため、テストも無事にこなすことができた。
「ドイツに服とか必要なものを置いてきたままなんですよね……。どうしようかなと考えています」
まだまだ慣れないヨーロッパ暮らし。しかも新型コロナウイルスの影響でいきなり中断してしまったが、「ドイツではいい環境のなかで生活させてもらっているので、その分頑張らないといけないなと思っています」と異文化生活も経験のひとつとして蓄積していきたいと、前向きにとらえているようだ。

