IMSAや他の多くのスポーツに関わる組織が直面している課題は、コロナ禍において毎週、場合によっては毎日変化している、州および地域のプロトコルに忠実に従ってイベントを開催することである。

 ドゥーナンによれば、「イベントに参加するすべての人にCOVID-19の検査を義務付ける」というニューヨーク州とコネティカット州からの命令があったことで、IMSAはウェザーテック・スポーツカー選手権のワトキンス・グレン戦とライムロック・パーク戦をキャンセルせざるを得なかった、という。F1やフォーミュラEとは異なり、IMSAでは現在、COVID-19の全員検査を実施していない。

 NASCARおよびIMSAのエントラントは、地方行政から移動制限の免除を与えてられているとドゥーナンは明らかにした。現在、30の州からアメリカ北東地域に入る際には、到着後14日の隔離が実施されている。

「隔離だけでなく、パドック全員への検査が必要とされた」とドゥーナン。

「それに関連するコスト、かかる時間……我々は誰もリスクにさらしたくない。彼らの健康が一番だ。それに、チームは現在進行形で活動しており、彼らにも2020年の予算計画がある。それを尊重したい」

「これは、すべての企業パートナーにも当てはまる。我々は安全なレースを開催し、IMSAに期待されている価値を提供したい」

新型コロナウイルス感染症対策のため、ソーシャル・ディスタンスを保つ形で行なわれた表彰式。
新型コロナウイルス感染症対策のため、ソーシャル・ディスタンスを保つ形で行なわれた表彰式。

 ドゥーナンによれば、陽性が疑われる人々に対するCOVID-19の検査は、すべてサーキットの外で行なわれるという。

「施設を清潔に保つことが重要だ。我々の医療担当スタッフは、すべて適切に訓練されている。彼らは緊急治療室を備えており、何十年にもわたって専門的な医療に携わってきたベテランたちだ」
 
「我々の医療スクリーニングプロセスは、多くのエントラントから絶賛されている。我々はできる限り効率的にそれを行なうよう努めている」

 ドゥーナンはフェリペ・ナッセの例を挙げ、各エントラントはCOVID-19の陽性反応が出た場合に報告義務があること説明する。ナッセは7月の(シーズン再開イベントである)ウェザーテック240アット・デイトナに向かう道中に陽性反応を示した。このため彼はサーキットには入らず、チームメンバーらへの接触が避けられた。

 SROアメリカなどのシリーズでは、接触追跡アプリなど感染拡大防止のための追加手段が用いられているが、ドゥーナンによればIMSAは現在の彼らのプロトコルに満足しているという。

「州ごとに何が起こっているのか、そしてそのような信頼できる類のアプリケーションに何ができるのか、我々は調査を行なっている」とドゥーナン。

「だが現時点では、我々のやり方に満足している」

ウィスコンシン州に位置するロード・アメリカ。アップダウンのある、“アメリカらしい”中高速サーキットだ。第3戦までをフロリダ州内で開催してきたIMSAにとっては、今季初の“遠征”となった。
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