すでにタイトルを決めているユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカ07・ギブソン(フィル・ハンソン/フィリペ・アルバカーキ/ポール・ディ・レスタ。ドライバーズ・トロフィーはハンソンとアルバカーキが獲得)がPPを獲得したLMP2クラスは、最後の最後まで目が離せない戦いとなった。
序盤はPPのユナイテッド・オートスポーツがリードするが、2時間目に突入して最初のピット作業を終えるとジャッキー・チェン・DCレーシングの37号車オレカ07・ギブソン(ホー・ピン・タン/ガブリエル・オーブリ/ウィル・スティーブンス)がクラス首位に躍り出ていた。
このあと、37号車はオペレーションをともにする兄弟チームのJOTA38号車オレカ07・ギブソン(ロベルト・ゴンザレス/アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/アンソニー・デイビッドソン)とフィニッシュまでドッグ・ファイトを演じることになる。
ともにグッドイヤータイヤを履く2台は、レース残り2時間を切っても1秒以内という接近戦を演じる。残り1時間半、タンがターン10でデイビッドソンを見事にオーバーテイクし、じりじりとリードを広げていった。
しかし残り1時間を前に38号車がダ・コスタに、37号車がオーブリにドライバーチェンジすると、今度はダ・コスタがオーブリを追い詰めていく。そして残り30分、最後のピットを終えたダ・コスタはオーブリの鼻先でコースに戻り、逆転に成功する。
最終戦勝利を目指す熾烈なバトルは、ときに1コーナーでブレーキをロックさせながら、このあとも続いた。決着したのは残り10分を切ってから。GTEのマシンが絡んだT10進入でオーブリがダ・コスタのインへ飛び込み、わずかに接触しながらもターン12までの争いで前に出たオーブリが、クラストップを奪い返した。
オーブリはそのままチェッカーまで37号車を導き、クラス優勝/総合3位に。38号車が2位、クラス3位にはレーシングチーム・ネーデルランド29号車オレカ07・ギブソン(フリッツ・バン・イアード/ギド・バン・デル・ガルデ/ニック・デ・フリース)が入った。
