3メーカー、6台の争いとなるLMGTEプロクラスでは、序盤からPPのポルシェGTチーム92号車ポルシェ911 RSR(マイケル・クリステンセン/ケビン・エストーレ)がレースをリードする。
ハーフウェイを迎えたところで、2番手につけていたAFコルセ51号車のフェラーリ488GTE Evo(ジェームス・カラド/ダニエル・セラ)のセラが、ターン4でLMGTEアマクラスのチーム・プロジェクト1・56号車ポルシェ911 RSR(エディジオ・ペルフェッティ/ラリー・テン・ボーデ/ヨルグ・ベルグマイスター)と接触。
アウトラップだったセラは左リヤにダメージを負い、タイヤがパンク。ピットへと戻る過程でコース上にデブリが散乱してしまい、この除去とコース清掃のためSCが導入された。51号車フェラーリはガレージでの修復を強いられ、カラドにわずかに残されていた逆転タイトルの可能性が消滅してしまう。
92号車ポルシェは僚友の91号車ポルシェ911 RSR(ジャンマリア・ブルーニ/リチャード・リエツ)を従え、トップでフィニッシュ。クラス3位はAFコルセ71号車フェラーリ488GTE Evo(ダビデ・リゴン/ミゲル・モリーナ)のものとなった。
GTドライバー選手権は、バーレーン前までにクラス首位に立っていたアストンマーティン・レーシング95号車アストンマーティン・バンンテージAMRのマルコ・ソーレンセン/ニッキー・ティーム)がクラス5位に入り、タイトルを決めている。

10台のマシンがエントリーするLMGTEアマクラスでは、オープニングラップで選手権リーダーのTFスポーツ90号車アストンマーティン・バンテージAMR(サリ・ヨルック/チャールズ・イーストウッド/ジョナサン・アダム)がトップに立ち、タイトル争いのライバルであるAFコルセ83号車フェラーリ488 GTE Evo(フランソワ・ペロード/エマニュエル・コラール/ニクラス・ニールセン)に対して優位な立場となる。
開始30分、90号車をドライブするヨルックのインに、アストンマーティン・レーシング98号車アストンマーティン・バンテージAMR(ポール・ダラ・ラナ/ペドロ・ラミー/ロス・ガン)のダラ・ラナが飛び込むも、接触を喫しスピン。ダラ・ラナはポジションを下げ、ヨルックも首位の座を明け渡してしまう。
しかし最初のピットを終えると、ガンに交代した98号車がクラストップへ。このあとSC導入まで98号車の優位は続いていったが、SC導入よって上位勢の差がほぼなくなることに。。このなかでガルフ・レーシングの86号車ポルシェ911 RSR(マイケル・ウェインライト/アレッシオ・ピカリエッロ/ベンジャミン・バーカー)がトップに立つが、各車は僅差で混沌としたまま終盤戦に突入していく。
タイトル争いで優位に立っていた90号車アストンマーティンだったが、最後の1時間に入ってピットでブレーキ交換を行なったことにより、一時はクラス最後尾へと後退。このとき8点差からの逆転タイトルを狙う83号車フェラーリはクラス2番手を走行していた。
残り40分を切って83号車フェラーリが最後のピットを済ませると、クラス3番手に。一方の90号車アストンマーティンはクラス8番手で、このままの順位だと1ポイント差で83号車がタイトル獲得という緊張感のある展開となった。
83号車のニールセンは86号車ポルシェをオーバーテイクしクラス2位を取り返し、安全圏内へ。一方の90号車アストンマーティンはポジションを落とし、83号車フェラーリの逆転タイトルが決まった。
クラス優勝は最後の1時間に入ってから86号車ポルシェをオーバーテイクした56号車ポルシェ。2位に83号車フェラーリ、3位にはデンプシー・プロトン・レーシングの88号車ポルシェが入っている。
ケイ・コッツォリーノの乗り込むLMGTEアマクラスのレッドリバー・スポーツ62号車フェラーリ488GTE Evo(ボナミー・グリムス/コッツォリーノ/コリン・ノーブル)は、序盤に56号車ポルシェに接触されスピンを喫するなど、苦しいレースとなった。クラス最下位となる総合23位でチェッカーを受けている。

