最大のライバルが脱落したことで楽になった10号車アキュラは、アンカーを務めたアルバカーキが807周目にトップチェッカーを受け、2021年開幕戦のウイナーに。ホンダが北米で展開するアキュラブランド、ならびに2018年にデビューしたアキュラARX-05にデイトナでの初総合優勝をもたらすとともに、ウェイン・テイラー・レーシングはデイトナ3連覇を達成した。
01号車キャデラックの脱落後、ハリー・ティクネル駆る55号車マツダが3番手から2番手に浮上したが、チェッカーまで残り5分というタイミングでストレートで突然失速してしまう。可夢偉がドライブする48号車キャデラックはこの機を逃さずポジションを上げ2番手に。両車はポジションはその後入れ替わることなく、そのままの順位でチェッカーフラッグを受けている。4位はファン・パブロ・モントーヤがアンカーを務めた60号車アキュラ、5位はパンクに泣いた01号車キャデラックだ。
LMP2クラスでは6歳の男の子がデザインしたリバリーを採用して今戦に挑んだEraモータースポーツの18号車オレカ07・ギブソン(ドワイト・メリマン/カイル・ティリー/ライアン・ダルジエル/ポール・ループ・シャタン組)が優勝。LMP3クラスは中盤から首位を守り続けたライリー・モータースポーツの74号車リジェJS P320・ニッサン(ガー・ロビンソン/スペンサー・ピゴット/スコット・アンドリュース/オリバー・アスキュー組)が制している。
GTDクラスは中盤以降、優勢となったウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3(ラッセル・ワード/フィリップ・エリス/インディ・ドンティエ/マロ・エンゲル組)がライバルたちを振り切ってクラス優勝。サン・エナジー1の75号車メルセデスAMG GT3(ケニー・ハブル/ラファエル・マルシェッロ/ミカエル・グルニエ/ルカ・ストルツ組)が同クラス2位となり、メルセデスAMG勢がワン・ツー・フィニッシュを飾った。
今季限りでのクラス消滅がアナウンスされたGTLMクラスで最後のデイトナウイナーとなったのは、コルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC8.R(アントニオ・ガルシア/ジョーダン・テイラー/ニッキー・キャツバーグ組)だ。
最大のライバルとなったBMWチームRLLのデイトナ3連覇を阻止し2017年以来の優勝を掴んだコルベット陣営は、レースのほとんどを3号車と4号車でリードしていたが、終盤に3号車がトラブルを抱えたことで一時はその勝利が危ぶまれた。
しかし、スタートから22時間を過ぎた最終盤に3号車コルベットが復活。本来のスピードを取り戻し、前年ウイナーの24号車BMW M8 GTEと僚友4号車コルベットを相次いで交わしてポジションを取り戻すと、最後はチームメイトとともにワン・ツー・フィニッシュでC8型コルベットにデイトナ初勝利を届けている。







