「私たちは皆レーサーであり、レースをしたいと思っている。なのでそれをサポートする」とクラックは述べた。「コルベットがレースをしたいのなら、そのクルマを押し出そうとするのは完全に間違っていると思う」
「我々はIMSAがこれを正しくバランスさせると信じている。議論の一部にはコルベットの件だけでなく、GTDチームがプロにステップアップしたり、SROのような他のシリーズからクルマを持ってくることを容易にすることも含まれている」
「グリッドを大きくするためには、出来の悪いBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)やエントランスバラストなどの障害物を配置するべきではない」
「私たちはつねにコルベットと交流している。レーストラック上では、私たちは互いに大きなライバルだが、プロとアマ、またはGTDとGTレース全般の利益を考えるとなれば私たちは話し合い、建設的な態度をとるように務めているんだ」
クラックは、BMWの参加の可否とプログラムの範囲についての最終的な決定は、今年の後半になるだろうと述べている。
■“巨漢”M8 GTEはプチ・ル・マンが最終レースに
BMW M8 GTEは今年11月に開催されるシーズン最終戦『モチュール・プチ・ル・マン(ロード・アトランタ10時間)』を最後に以後、レースへの参加計画はないとクラックは語った。
北米シリーズでM8 GTEを走らせているBMWチームRLLは今季、デイトナ24時間とセブリング12時間、ワトキンス・グレン6時間、プチ・ル・マンの4レースで構成されるMEC“ミシュラン・エンデュランス・カップ”でのみプログラムを実行し、追加レースの可能性はない。
2018年にデビューしたM8 GTEは、BMWチームRLLとデイトナで2度GTLMクラス優勝を達成。1シーズン限りではあったがWEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスにもBMWチームMTEKのキャンペーンで参戦した。
「IMSAは今季限りでGTEクラスを廃止し、我々は他の場所に行く予定がないので、M8でのプログラムはこれで終了となる」とクラック。
「これは現在の時代を反映したものでもある。GTEや(DTM/スーパーGTの)クラス1プログラムはあまりにも高額だ。その両方に加えてフォーミュラEもあり、かなりの予算が必要だった」
「まるで自然淘汰されるかのようにクラスが消えていくんだ」
クラックはIMSAとACOフランス西部自動車クラブの間で以前から交わされていた、現役のGTE仕様車を集めてウェザーテック選手権やWECの主要イベントに合わせてレースを開催するという議論があったことを認めた。、
「私たちは今シーズンの前にIMSAと何度も話し合いをしてきた。ACOと一緒に何かをして、それらをまとめようとしたんだ。それによって少なくとも4~5のブランドでレースができるようにしたいと思っていたのだが、向こう(アストンマーティンが撤退したWEC)も瀕死の状態だからね……」
「今よりも良い状況を作ることができなかったのは残念だ」
「いまWECには4台、IMSAには5台のクルマがいる。我々がそこに居なければ、ふたつか3つのクルマしかグリッドに着かないことになる。それは良いことではない」

