トヨタGR010ハイブリッドは最終日の午後に8号車が2分04秒669というセッションベストタイムをマークしたものの、このテストでの最速タイム2分04秒168を記録したのは、オフの間にパフォーマンスが抑制されたLMP2クラスのマシンだった。8号車のタイムは2日間の総合結果で4番手。僚友7号車も2分04秒708で総合5番手に留まっており、ハイパーカーの性能域が昨年までのLMP1カーとは異なることを物語っている。
8号車をドライブする一貴は「他の多くの車両と一緒にコースを走るチャンスという意味でも、プロローグは我々のオフシーズンテストにおいて、とても重要な役割を果たしている」と、公式テストの有効性を説明した。
「決勝レースへの準備の段階で、他の車両と一緒にテストする方が良いのは明らかです。単独走行では遅い車両への対応や、タイヤのパフォーマンスを適切に保つことを学ぶのが難しいですから」
「この2日間のテストでも、多くの接触やアクシデントが発生したように、多くのカテゴリーの混走は容易ではありませんが、レースのためにはこのような練習が必要です」
ABBフォーミュラE世界選手権のレースを終えてスペインからプロローグ・テストに駆けつけたブエミは「2日間をとおして改良のためにさまざまな取り組みを試し、多くのデータを得ることができた。天候がどうなるかわからないが、週末のレースでさらに力強いパフォーマンスを見せられるよう、クルマの改良に全力を尽くす」と語った。
ハートレーは「ようやくWECのパドックに活気が戻り、コース上にすべての車両が並んでいるのを見られて最高だ」とコメント。
「この2日間のテストは好天に恵まれた。“スパ・ウェザー”と呼ばれるように、この場所の天気が変わりやすいのはよく知っているけど、週末までこのまま天候が保ってくれることを祈っているよ」
「今回がGR010ハイブリッドにとって初めて他のカテゴリーとの混走だったので、そのなかで順調に走れて良かった。ハイパーカー時代としての新たなシーズン開幕が楽しみだ!」
WECプロローグを終えたトヨタチームはこのままスパに残り、シーズン開幕戦の走行セッションへ向けた準備を進めていく。その開幕戦スパ6時間レースは29日(木)に練習走行が開始が行われ、翌30日(金)は練習走行と予選が実施される。決勝が行われるのは5月1日(土)で、13時30分(日本時間20時30分)にスタートが切られる予定だ。


