現在、トヨタが抱える6名のレギュラードライバーは実力・経験ともに強力なラインアップであり、テスト&リザーブドライバーとしてはニック・デ・フリースも控えている。また、昨シーズンは山下健太が育成プログラムのドライバーとして、LMP2クラスで速さと強さを存分に発揮した。
そんななか、今回のテストで平川は4年ぶんの進化をアピールしなければならない。
プレッシャーもかかりそうな状況だが、平川はポルティマオでのテストを「楽しみにしている」と言う。
幸い、以前にLMP1をテストした際のスタッフもチームには残っており、「そこはゼロからのスタートではなく、4年前の続きのような気持ちで臨めています」と平川。
また、今回テストの舞台となるポルティマオも、LMP1時代のテスト、そしてELMSのレースで走行経験があるトラックだ。実際にどれくらいの時間、ドライブが許されるのかは分からないが、平川はそのチャンスを最大限に使い、将来の“可能性”に向けてアピールしたい構えだ。
「自信があるか、と言われるとちょっと分からないんですけど、とにかく楽しみにしています。自分の持っているものを全部使って、少しでもいい方向に進みたい」

やや時期尚早な疑問ではあるが、仮にテストで高い評価を得ることができ、来季以降、念願のWECにフル・コミットすることになった場合、日本のレースはどうするのだろうか。
平川は「コロナの状況や渡航制限次第ですが」と前置きしつつ、次のように自らの思いを口にした。
「自分の覚悟的には、ヨーロッパに住んでもいいと思っています。中途半端にはやりたくない。まだ、どうなるのかは全然分かりませんが、それくらい本気で臨む気持ちでいます」