現行規定を戦うメーカーからはホンダの北米ブランドであるアキュラが名乗りを上げた。現在、アキュラは『オレカ07』ベースのDPiマシン、アキュラARX-05でシリーズを戦っており、LMDhでもその関係を継続させるものとみられているが、正式発表はまだなされていない。
また、現行シーズンで『ダラーラP217』ベースのキャデラックDPi-V.Rを走らせているキャデラックも、IMSAでのプログラムを継続することが予想されているブランドのひとつだが、現在のところ参戦に関するアナウンスは行われていない。マルチマチックと組むマツダは、残念ながら今シーズン限りでのシリーズ撤退を発表している。
そんななかABBフォーミュラE世界選手権からの撤退を明らかにしているBMWが先月、LMDhでプロトタイプカーレースに復帰することを発表。2023年のウェザーテック・スポーツカー選手権に2台のLMDhマシンで参戦すること明らかにした。
22年中のロールアウトを目指すBMWのプログラムは、ワークス参戦のみと考えられており、シリーズの枠を超えて挑戦が可能なWECおよびル・マンへの参戦については言及されていない。
この他にもLMDhに興味を示しているメーカーは多数存在していると考えられており、ダラーラのOEMパートナーシップ・マネジャーを務めるマックス・アンジェレッリによれば、2024年には最大8つのマニュファクチャラーから20~25台のLMDhマシンがデイトナに参戦し、そのグリッドに並ぶ可能性があるという。彼は特定のマニュファクチャラーの名前を挙げることを避けたが、その中にはマクラーレンやランボルギーニ、レクサスなどが含まれていることが理解されている。
冒頭で述べたように、2023年からはLMHとLMDhが互いに大西洋を渡り、1台のマシンでふたつの選手権を戦うことが可能となる。仮に、BMWを含むLMDhメーカーすべてが2023年のル・マンに出場するとなった場合、トヨタとグリッケンハウス、そこにプジョー、バイコレス、フェラーリを加えた5メーカーのLMHとの激突を垣間見ることになる。これは例年1月末に行われるデイトナ24時間や3月のセブリング12時間にも当てはめることができ、その光景はまさしくスポーツカーファンが長年夢見てきたものではないだろうか。


