更新日: 2021.07.30 08:01
J SPORTSが今年もル・マン24時間を生中継! トヨタの4連覇、全然簡単じゃない!?
スポーツ専門チャンネルのJ SPORTSでは2021年も、WEC世界耐久選手権のハイライトである第4戦ル・マン24時間レースを8月18日(水)~8月22日(日)の5日間にわたって、衛星放送とオンデマンドで生中継を実施する。その今年のル・マン24時間の戦いについて、コメンタリー陣の代表、高橋二朗さんとサッシャさんが語る。
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「トヨタは全然余裕じゃない!」と、ファンの“気の緩み”に警戒感を募らせているのは、今年もJ SPORTSのWEC中継で実況を務めているサッシャさんだ。
「第2戦ポルティマオにしても、セーフティカー導入でそれまでのリードがなくなるという展開もあったにせよ、仮にトヨタの2台がもう1回ずつピットインしていたりしたら、アルピーヌに負けてるじゃん! という差(1分8秒)でした」
「8号車はスタートから燃費重視の作戦でしたが、そういう作戦を採っていなかったら……。8時間レースでこれ。ル・マンは3倍になるからその差が広がるとも取れそうだけど、リスクも3倍になるかもしれない。ポルティマオは結果だけを見ればトヨタがワン・ツー。ファンのみなさんからすると『ル・マンもどうせ勝つでしょ』となるかもしれませんが、そのぶんトヨタにかかるプレッシャーも大きい。だから、まったく簡単じゃないんです」
「そう、トヨタは勝って当たり前のなかで勝たないといけない」とうなずくのは、ル・マン現地での取材歴も長い“ジロー”さんこと高橋二朗さんだ。
「BoP(性能調整)はトヨタに対して厳しいものになるはず。燃費性能ではトヨタが優位だと言われているけど、やっぱり接戦になるように調整されるのが普通だからね。トヨタもそれに備えていると思うけど、ラクではない」
「いずれにしても、アルピーヌとの一騎打ちになるんじゃないかな。来年はプジョーが出てきて、2023年からはフェラーリ、LMDhにはアウディやポルシェも出てくる。トヨタが最初にハイパーカーで出ると言った後、いろいろあったけど、トヨタがWECとル・マンを引っ張ってきた。ハイパーカー初年度を獲り、4連覇をしたうえで、彼らを迎え撃ってほしいよね」
ただ、ここ数年ゴール間近で何かが起きているのがル・マンというレース。前哨戦モンツァでは高速コースでのパフォーマンスではトヨタはいいものを見せていたが、車両トラブルもあった。
「予期せぬことがあるかもしれないなかでの24時間。(中嶋)一貴選手に聞いたら、7号車と8号車のコンペティションも当然あると。一貴選手に4連覇してもらいたい気持ちもあるし、(小林)可夢偉選手を含めた7号車の3人にル・マンウイナーになってもらいたい気持ちもある。それにはトヨタが勝たないとダメ。想像以上にプレッシャーや苦しさがあります。ですから……」(サッシャさん)
「ファンのみなさんも気を抜かないで(笑)、一緒に見届けてほしいですね」(二朗さん)
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■ サッシャさん
J SPORTSではWEC中継の実況のほか、スーパーGT中継、サイクルロードレース中継の実況も担当。ラジオDJ、イベントMC、ナレーター、声優などマルチに活躍している。ドイツ・フランクフルト生まれ。
■高橋二朗さん
国内外で精力的に取材活動をするベテランモータースポーツジャーナリスト。J SPORTSではWEC中継の解説のほか、スーパーGT中継のピットレポーターなども務める。「ジローさん」の愛称でもおなじみ。
auto sport 2021年8月20日号 No.1557より転載
J SPORTS:https://www.jsports.co.jp/